この記事を書いた人
ケンタ
元フィリピン留学エージェントとして、留学の斡旋・カウンセリング業務に携わってきました。フィリピンへの渡航歴は10回以上、セブ・マニラなど複数の都市を実際に訪れています。
TOEIC900点を保有しており、語学学習や英語力の伸ばし方についても、実体験を踏まえてお伝えできます。
「フィリピンGO!」では、こうした現地エージェントとしての実務経験と渡航経験をもとに、留学・観光・現地生活のリアルな情報を紹介しています。
アフリカのサバンナが、フィリピンの島にある——その理由を知っていますか?

キリンやシマウマが、フィリピンの島を歩き回っている。
そんな光景、想像できますか?
パラワン州コロンの沖合に浮かぶカラウィット島には、1970年代にアフリカから持ち込まれた野生動物たちが今も暮らしています。
島全体が約3,700ヘクタールの野生動物保護区になっており、キリン・ガゼル・シマウマ・インパラといったアフリカの動物と、パラワン孔雀・カラモシカなどフィリピン固有種が同じ土地に共存しているんです。
さらに同じエリアには、ディマクヤ島という小さなプライベートアイランドがあり、こちらにはフィリピン固有の希少種・パラワンマングローブモニターなどが生息する美しい自然林が広がっています。
エルニドやコロンのダイビングとはまったく別の顔を持つ、フィリピンの「もうひとつの秘境」です。
調べれば調べるほど「なぜこんな場所がもっと知られていないんだろう」と不思議に思うほど、スケールの大きな体験が待っています。
ケンタ


2つの島をひと目で比較——どちらに行く?両方行く?
まずはディマクヤ島とカラウィット島、それぞれの特徴を並べて見てみましょう。
目的によってどちらを優先するか変わってきます。
| 項目 | 🦒 カラウィット島 (野生動物保護区) | 🌿 ディマクヤ島 (エコリゾート&自然林) |
|---|---|---|
| メインの魅力 | アフリカ動物+フィリピン固有種のサファリ体験 | プライベートビーチ・マングローブ・固有種観察 |
| 入場・利用料目安 | 約400〜600ペソ(入場料+ガイド込み) | リゾート宿泊者向け/日帰りツアー参加が一般的 |
| アクセス難易度 | ◎ コロン町からボートで約1〜2時間 | ○ コロン町からボートで約45分〜1時間 |
| 所要時間の目安 | 半日〜1日 | 半日〜1泊2日 |
| ガイド必須? | ◎ 必須(保護区内はガイド同行が義務) | ○ ツアー参加が基本 |
| こんな人に向いている | 動物好き・子ども連れ・非日常を求める人 | 自然派・静かなビーチが好きな人・写真好き |
両方を組み合わせた1日ツアーも、コロン発で組むことができます。
ただし移動時間が長くなるため、体力と相談しながら計画を立てるのがおすすめです。



旅の全体像を数字でつかむ


費用感・日程感をざっくり把握してから、細かい計画を立てましょう。
コロンからのアクセス——意外と複雑なルートを整理すると


「コロン」という名前は、コロン町(バラカン埠頭)とコロン島の2つが存在するため、情報収集の段階で混乱しやすいポイントです。
ディマクヤ島・カラウィット島へのアクセス起点となるのは「コロン町(バラカン埠頭)」の方です。
- マニラ→コロン(ブスアンガ空港):飛行機で約1時間。セブパシフィック・フィリピン航空などが直行便を運航。空港からコロン町まではバンで約45分
- カラウィット島へ:コロン町のバラカン埠頭からバンカーボート(地元の小型船)で約1〜2時間。ツアーに参加するのが一般的
- ディマクヤ島へ:同じくコロン町から約45分〜1時間。リゾート専用ボートかツアーボートで移動
- エルニドからのルート:エルニド→コロン間はフェリー(所要約4時間)かチャーター便が利用可能。どちらも事前予約が必要
海の状態によってボートの出発が変わる場合もあります。
特に雨季(6〜10月)は天候に注意が必要です。
フィリピンの雨季旅行のポイントはこちらの記事でエリア別にまとめていますので、出発時期を検討する際にぜひ確認してみてください。



実際にかかる「本当の」費用内訳


「ツアー代だけ払えばいい」と思っていると、現地で追加出費が重なって予算オーバーになりがちです。
よくある費用の内訳を整理しておきましょう。
| 費用項目 | 目安(ペソ) | 備考 |
|---|---|---|
| カラウィット島ツアー料金(1人) | 2,500〜4,500 | ランチ・ガイド込みのプランが多い |
| カラウィット島入場料 | 400〜600 | ツアー料金に含まれる場合と別払いの場合あり |
| ディマクヤ島込みのコンビツアー | 3,500〜6,000 | 移動距離が増えるため割高になる |
| コロン宿泊(1泊・ゲストハウス) | 800〜2,000 | エアコン有無・立地で変動 |
| コロン宿泊(1泊・中級ホテル) | 2,500〜5,000 | オンシーズンは早期予約推奨 |
| マニラ→コロン(ブスアンガ)航空券 | 2,000〜6,000 | セール時は片道2,000ペソ台も |
| 現地食事・飲み物(1日) | 500〜1,500 | コロン町はローカル食堂が充実 |
ツアー料金はガイドへのチップ(100〜200ペソ程度)が含まれていないことが多いので、別途用意しておくのがマナーです。
コロン旅行全体の現金準備の考え方については、フィリピン旅行の現金はいくら必要か解説した記事が参考になります。
コロン町はATMが少ない地域でもあるので、マニラやセブで多めに準備しておくことを強くおすすめします。
カラウィット島——キリンと目が合う瞬間のこと


保護区に入ると、まずスケールの違いに驚きます。
島の約3,700ヘクタールのうち多くが手つかずの自然林で、その中に設けられたルートをジープニーや徒歩で進みながら動物たちと出会っていきます。
キリンは想像以上に近くまで寄ってきます。
1〜2メートルの距離でその長い首を見上げると、「ここ本当にフィリピンか?」という感覚になるそうです。
シマウマやガゼルの群れが草原を走る光景も、東南アジアとは思えない非日常感があります。
フィリピン固有種コーナーでは、パラワン孔雀が羽根を広げる場面に出くわすことも。
ビジターが少ない時間帯(朝一番のツアー)が、動物たちが活発に動いていておすすめだそうです。
ガイドなしで自由に歩き回ることはできません。
これは観光客の安全と動物保護の両面から設けられたルールです。
ガイドの説明はタガログ語・英語に対応しているので、英語で積極的に質問してみると、保護活動の裏話なども聞けて旅がぐっと深くなります。



ディマクヤ島——「静かな秘境」がここにある


カラウィット島の賑やかなサファリ体験とは対照的に、ディマクヤ島はひとことで言えば「静けさ」が魅力の島です。
島の大部分は原生林に覆われており、パラワンマングローブモニター(フィリピン固有の大型トカゲ)やカラモシカ(小型の固有種シカ)が生息しています。
ビーチは白砂で、シュノーケリングスポットも点在しています。
ディマクヤ島にはリゾートが1軒あり(Club Paradise Palawan)、宿泊者向けの自然観察プログラムが充実しています。
日帰り訪問はリゾートの混雑状況によって制限がある場合もあるため、公式に問い合わせるか、コロン発のツアーを通じて訪問するのが確実です。
「人が少ない時間に、ゆっくり自然を感じたい」という方には、ここは本当に刺さる場所だと思います。
エルニドの有名なアイランドホッピングとはまた違う、落ち着いた体験ができます。
エルニドのアイランドホッピングについてはこちらで詳しく紹介していますので、パラワン旅行の行程を組む際に比較してみてください。






見落としがちな4つの注意点


事前に知っておくだけで、現地でのストレスがぐっと減ります。
特に初めてコロン周辺を訪れる方は必ずチェックしてください。
- 天候依存が高い:ボート移動がメインのため、波が高い日は出港中止になります。特に6〜10月の雨季は計画が流れやすく、スケジュールに余裕を持たせることが重要です
- ATMが少ない:コロン町にATMはありますが台数が少なく、週末や連休は枯渇することも。マニラやセブで現金を多めに準備しておくのが無難です
- 日焼けと脱水:ボート上や保護区内では日陰が少ない場面も多いです。日焼け止め・帽子・水分補給用のボトルは必携です
- ツアー選びに注意:コロン町には多数のツアー会社があり、料金・サービス内容にばらつきがあります。「入場料別」「ランチ別」のケースもあるため、予約前に何が含まれているかを確認してください
持ち物の準備については、フィリピン旅行に絶対持っていきたいものTOP10の記事もあわせて参考にしてみてください。
エコツアーでは特に虫よけスプレーが重宝します。
こんな人にはぴったり、こんな人は注意
このエリアのエコツーリズムは万人向けとは言えません。
自分がどちらのタイプか確認してみてください。
| 向いている人 | 事前に知っておくべき人 |
|---|---|
| 動物・自然観察が好きな人 | ビーチリゾートでのんびりしたいだけの人(アクセスが不便) |
| フィリピンの「別の顔」を見たい旅慣れた人 | 日程がタイトな人(天候次第でスケジュールが崩れやすい) |
| 子どもと一緒にユニークな体験をしたい家族連れ | 移動の揺れや船酔いが苦手な人(ボート移動が長い) |
| 写真・映像が好きなクリエイター系の旅行者 | 高級リゾート設備を求める人(コロン町は素朴な宿が多め) |
| エルニドとセットでパラワンを深掘りしたい人 | 個人手配に不慣れな人(ツアー選びに情報収集が必要) |
正直に言うと、このエリアは「計画が少し面倒でも、それを上回る体験が待っている場所」です。
準備を丁寧にした分だけ、旅の満足度が上がります。
フィリピン全体の観光名所30選の記事と見比べながら、旅のルートを設計してみてください。
コロン発エコツアーの準備ステップ


「行ってみたい」と思ったら、あとは順番に動くだけです。
よくある質問
調べていてよく出てくる疑問をまとめました。
英語が話せなくても大丈夫ですか?
ツアーガイドは英語対応が基本ですが、簡単な単語とジェスチャーで十分コミュニケーションできます。日本語対応のツアーは稀なため、基本的な英会話フレーズを準備しておくと安心です。
子どもや高齢者も参加できますか?
カラウィット島のジープニーツアーは揺れがあるため、乗り物酔いしやすい方は注意が必要です。ディマクヤ島は比較的穏やかですが、ボート移動が長いため船酔い対策を持参しておきましょう。
マニラからコロンまで何時間かかりますか?
マニラからブスアンガ空港まで飛行機で約1時間。その後、空港からコロン町まではバンで約45分が一般的な目安です。乗り継ぎや待ち時間を含めると合計3〜4時間程度を見ておきましょう。
カラウィット島とディマクヤ島を1日で回れますか?
コロン発の1日コンビツアーが存在しますが、移動が多くかなりハードになります。どちらかをじっくり楽しみたい場合は、2日に分けてそれぞれ半日ずつ充てる方がゆとりが生まれます。
カラウィット島への個人手配は難しいですか?
コロン町の埠頭でバンカーボートと交渉すれば個人訪問も可能ですが、保護区内ではガイド同行が義務付けられています。ツアー参加の方が段取りがスムーズで、トータルの費用差もそれほど大きくありません。
まとめ——「フィリピンでサファリ」は、想像より現実的でした
ディマクヤ島・カラウィット島エリアは、エルニドやコロンのダイビングリゾートとはまったく異なる体験が待っています。
アフリカ動物とフィリピン固有種が共存する保護区、静かな原生林に囲まれたプライベートビーチ——この組み合わせが、同じパラワン州内に存在していることが改めて驚きです。
コストは2泊3日で4〜5万円台(往復航空券込み)から計画できます。
移動や天候のリスクはありますが、丁寧に準備すれば初めての一人旅でも十分楽しめるエリアです。
- 「動物・自然が好き」「フィリピンの違う顔を見たい」→カラウィット島ツアーを最優先で組む
- 「静かな離島でゆっくりしたい」「写真を撮りたい」→ディマクヤ島泊がおすすめ
- 「エルニドと合わせてパラワンを深掘りしたい」→フェリーで両エリアを繋ぐルートが最高
コロン周辺には今回紹介した2島以外にも、魅力的なスポットがたくさんあります。
フィリピンの観光名所30選と見比べながら、ぜひあなただけのパラワン旅を設計してみてください。










