この記事を書いた人
ケンタ
元フィリピン留学エージェントとして、留学の斡旋・カウンセリング業務に携わってきました。フィリピンへの渡航歴は10回以上、セブ・マニラなど複数の都市を実際に訪れています。
TOEIC900点を保有しており、語学学習や英語力の伸ばし方についても、実体験を踏まえてお伝えできます。
「フィリピンGO!」では、こうした現地エージェントとしての実務経験と渡航経験をもとに、留学・観光・現地生活のリアルな情報を紹介しています。
マレーシアMM2H vs フィリピン移住、「第二の家」はどっちが正解?

マレーシアのMM2Hビザ、実は数年前の制度改訂で必要な固定預金額が跳ね上がったのをご存知でしょうか。
エージェント時代、老後の移住先を相談されると必ず名前が挙がったのがマレーシアとフィリピンでした。
どちらも英語が通じやすく、物価が比較的安く、リタイア後のビザ制度が整っている点が共通しています。
ただ、実際に条件を並べてみると、資金面のハードルはまったく違う世界だと分かります。
ケンタ資金・条件を並べてみると見えてくる差
結論から言うと、初期資金のハードルはマレーシアのほうがかなり高めです。
MM2Hは2021年以降の制度でティア制になり、最も入りやすい「Silver」でも固定預金15万USD前後が必要とされています。
一方フィリピンのSRRVは、年金受給者向けのタイプなら1万USDから申請できるプランがあります。
この差だけで、移住準備にかかる時間も心理的なハードルもまったく変わってきます。



ひと目でわかるMM2Hとフィリピン移住の違い
細かい条件を読む前に、まず数字だけでも比べてみましょう。
並べてみると「え、こんなに違うの?」と感じる方も多いはずです。
初期資金だけで比べると、この差は歴然
数字にすると差の大きさがよく分かります。
MM2Hの上位ティア「Gold」まで視野に入れると、7000万円級の資金を求められるケースもあります。
フィリピンのSRRVは同じ土俵で見ると、150万〜300万円ほどでスタートできる部類に入ります。
資金力に自信がない場合、この初期預金の差だけで選択肢が絞られてしまうことも珍しくありません。
見落とされがちな注意点、税制と「凍結資金」の話


ここは相談の現場でも誤解が多いポイントです。
MM2Hの固定預金は、生活費に使えるお金ではなく「ビザ維持のための凍結資金」という扱いになります。
つまり資産としては存在しても、日常生活に回せるお金ではありません。
フィリピンの長期滞在では、居住者になった場合の課税範囲が話題になることも多く、実際に日本との二重課税がどう扱われるかを整理した記事でも詳しく触れています。
- 資金の使途:MM2Hの預金は基本的に取り崩せない
- 制度変更リスク:条件は数年おきに見直される傾向がある
- 更新時に追加書類や再審査が求められる場合がある






こんな人には向いている、こんな人は要注意
資金力に余裕があり、就労せず穏やかに暮らしたい方にはMM2Hの安定感は魅力的です。
一方、初期資金を抑えつつ移住のハードルを下げたい方には、フィリピンのSRRVや9Gの組み合わせが現実的な選択肢になります。
実際にエージェント時代、50代・60代で「資金は限られているが海外生活はしたい」という相談を数多く受けてきました。
そうしたケースでは、まずフィリピンから検討を始める方が圧倒的に多かった印象があります。
より詳しい生活費の実感は50代・60代のフィリピン移住のリアルをまとめた記事も参考になります。
準備の仕方・比較検討の進め方
どちらを選ぶにしても、いきなり大きな資金を動かす前に段階を踏むことをお勧めします。
移住相談は独学で進めると情報が偏りやすいので、無料の相談窓口を一度活用して条件を整理してみるのも進め方の一つです。
STEP1 目的の明確化
就労の有無・帯同家族・滞在期間など、外せない条件を先に決める
STEP2 資金計画
凍結資金と生活費を分けて、無理のない予算感を数字で確認する
STEP3 現地情報の収集
SRRVやMM2Hの最新条件は変更が多いため、公式情報を都度確認する
STEP4 短期滞在で体感
移住前に数週間〜数ヶ月の滞在で生活感を確かめておく
よくある質問
移住相談の現場でよく聞かれた質問をまとめました。
MM2Hとフィリピンのビザ、どちらが取得しやすいですか?
資金要件だけで見るとフィリピンのSRRVのほうが低めです。ただ就労可否や税制など、目的に合わせて選ぶ視点も大切です。
フィリピンでも働きながら暮らせますか?
SRRVは原則就労不可ですが、9Gワークビザとの組み合わせなど選択肢があります。詳しくは9Gビザの記事も参考になります。
資金はどちらも一度預けたら戻らないのですか?
制度により異なりますが、MM2Hの固定預金は基本的に維持が前提です。フィリピンも預金要件があるビザではルールの確認が欠かせません。
コンドミニアムなど不動産は購入できますか?
フィリピンでは外国人単独でのコンドミニアム購入に条件があります。詳細は不動産購入の記事にまとめています。
まとめ
MM2Hとフィリピン移住、どちらが「正解」というものではありません。
資金に余裕があり、じっくり構えて暮らしたいならMM2Hも十分検討に値します。
一方で、初期のハードルを下げて移住の一歩目を踏み出したいなら、フィリピンの制度は現実的な選択肢になります。
元エージェントとして感じるのは、結局「自分がどんな暮らしをしたいか」を先に決めた人ほど、後悔のない選択に落ち着くという点です。
資金計画も含めて、じっくり時間をかけて比較してみてください。




