「マニラって危ないんでしょ?」——その答え、エリアによって全然違います

マニラに行くと話すと、必ずと言っていいほど「え、大丈夫?」と返ってきます。
でも調べていくと、マニラは「エリアで別の都市」と表現したくなるほど、場所によって顔がまったく異なることがわかりました。
高層ビルが立ち並び外資系ホテルが集まるエリアもあれば、植民地時代の石畳が残る歴史地区、夜になると人通りが増えるバーストリートまで——すべてが「マニラ」という1つの名前でくくられています。
この記事では、旅行者・移住検討者がよく足を運ぶマカティ・BGC(ボニファシオ・グローバルシティ)・イントラムロス・マラテの4エリアについて、治安の実態をできるだけフラットな視点で比較していきます。
ケンタ


4エリアをひと目で比較


まずは4エリアの特徴を数字と一言で整理しておきます。
移動手段・費用感・治安レベルはエリアごとに大きく違います。
旅のプランを立てる前にここを押さえておくと、動き方がぐっとクリアになります。
| エリア | 治安レベル(目安) | 外国人旅行者の多さ | 宿泊費目安(1泊) | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| BGC | ★★★★★(高) | 多い | 7,000〜20,000円 | 計画都市・セキュリティ厳重 |
| マカティ | ★★★★☆(高め) | 多い | 5,000〜15,000円 | ビジネス・商業の中心地 |
| イントラムロス | ★★★☆☆(普通) | 中程度 | 3,000〜8,000円 | 歴史地区・昼間観光向け |
| マラテ | ★★☆☆☆(注意必要) | 多い(夜中心) | 2,500〜7,000円 | 繁華街・夜は特に注意 |
Q. BGCとマカティ、どちらが安全?——意外にも答えは「目的による」


「安全なマニラといえばBGCかマカティ」という声はよく聞きますが、この2つは性格がかなり違います。
BGC(ボニファシオ・グローバルシティ)は、1990年代以降に開発が進んだ新興の計画都市です。
エリア全体にセキュリティゲートが設けられており、歩道は整備されていて夜でも街灯が行き届いています。
外資系ホテル・ショッピングモール・高級レストランが集まり、フィリピンの中でも特に「コントロールされた環境」に近いエリアといえます。
スリや強引な客引きに遭遇する機会は他のエリアに比べてかなり少ないという声が多いです。
一方、マカティはマニラ最大のビジネス街で、オフィス・商業施設が密集しています。
昼間は会社員や観光客で賑わい、治安は概ね良好です。
ただしアヤラ通り周辺の整備されたゾーンと、少し外れたエリアでは雰囲気がガラリと変わります。
- 初めてのマニラ旅行で迷ったら——BGCを拠点にするのが最もストレスが少ない
- コスパ重視でビジネスホテルを探すなら——マカティのアヤラ周辺が安定している
- 夜にひとりで外に出る予定があるなら——BGCの方が圧倒的に安心できる
マニラの夜観光をどのエリアで楽しむかについては、こちらの記事でエリア別のポイントも含めて詳しく紹介しています。






Q. イントラムロスは観光地なのに危ない?——「時間帯」がすべてを変える


スペイン植民地時代の城壁に囲まれたイントラムロスは、マニラ随一の歴史地区です。
サンチャゴ要塞やマニラ大聖堂といった見どころが詰まっており、多くの旅行者が訪れます。
ただし、正直にお伝えすると——イントラムロスは「昼間の観光特化エリア」であり、日没後のひとり歩きは推奨できません。
昼間は観光客・ガイドツアー・人力車(カレッサ)がひっきりなしに動いており、比較的人目が多い環境です。
一方、夕方以降は一気に人が減り、街灯も少ないため視界が暗くなります。
スリやひったくりの報告は昼夜問わずゼロではありませんが、特に夜間の発生率が高い傾向にあります。
- 訪問は午前中〜15時台を目安にする
- バッグは身体の前側で抱える、スマートフォンをぶら下げたまま歩かない
- ひとりではなく2人以上で行動するのが理想的
- グラブ(Grab)でエリア内に乗り付け・エリア外へ出る、が最も安全な移動パターン






Q. マラテは本当に危ないの?——「危ない」と「混む」は別の話
マラテはマニラの中でも「繁華街」としての性格が強いエリアです。
飲食店・ゲストハウス・バーが集まり、旅行者にとってコスパの良い宿が多いのも事実。
昼間は普通の商業エリアとして機能しています。
問題になるのは夜間、特に22時以降の動き方です。
この時間帯は客引き・スリ・酔客などのリスクが他のエリアより高くなります。
ひったくりの被害報告も少なくなく、注意なしに単独で歩き回るのは推奨できません。
「マラテ=絶対NG」ではなく、「目的と時間帯をわきまえれば使えるエリア」というのが正確な評価です。
昼間の移動・食事・買い物に限るなら、それほど身構える必要はありません。
ただし夜の単独外出は、初めてマニラを訪れる方には正直オススメしません。
エリア選びに迷っている方には、フィリピン移住・長期滞在でよくある落とし穴をまとめたこちらの記事も参考になります。
エリア選択を含め「最初の判断」が後々大きく影響するケースが多いので、ぜひ目を通してみてください。



見落とされがちな「移動中」のリスク——エリアより怖いのは「動いている瞬間」


治安を語るとき、エリアの話ばかりに集中しがちですが、実は移動中が最もトラブルが起きやすいタイミングです。
以下の点は特に注意が必要です。
| 移動手段 | リスクのポイント | おすすめ度 |
|---|---|---|
| Grab(配車アプリ) | 事前に料金確定・運転手情報が記録される | ◎ 強くおすすめ |
| 流しのタクシー | メーター不正・遠回りのリスクあり | △ 慣れた人向け |
| トライシクル | 短距離向け・料金は交渉が必要 | △ エリア限定で |
| ジプニー | 混雑時のスリ・乗り降りに慣れが必要 | △ 初心者には難しい |
マニラではGrabの利用が事実上のスタンダードになっています。
アプリをあらかじめ日本でインストールし、クレジットカード払いを設定しておくと、到着初日からスムーズに動けます。
- スマートフォンをポケットに入れたまま外に出ない(ひったくりの主なターゲット)
- ATMは屋内・明るい場所のものを使う
- 深夜の徒歩移動はGrabへの切り替えを強くおすすめします
- 大きなバックパックを背負ったままでの混雑エリア移動は避ける
こんな声も
編集部が一般的な傾向をもとに構成した声です。
実際にマニラを訪れた方々から聞こえてくる声を参考に整理しました。
BGCに泊まったら、思っていたより全然歩きやすくて驚きました。夜でも明るいし、コンビニも多くて拍子抜けするくらい快適でした。
マカティは昼間のビジネス街のイメージそのまま。でも一本横道に入ると急に雰囲気が変わるので、知らない道はGrabで移動するようにしてからトラブルがなくなりました。
イントラムロスは石畳が素敵で写真映えもするし、カレッサ(人力車)も楽しかったです。ただ夕方に気づいたら人通りがほとんどなくなっていて、少し怖かったです。昼間に行くのが正解だと思います。
マラテに安宿があったので最初はそこに泊まりましたが、夜の雰囲気が想定外でした。もう少し予算を出してBGCかマカティに変えたら、精神的にだいぶ楽になりました。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
このエリア、自分に合っている?——タイプ別おすすめ診断
エリア選びに迷ったら、自分の旅の目的・スタイルと照らし合わせてみてください。
| こんな人には | おすすめエリア |
|---|---|
| 初めてのマニラ旅行・治安重視 | BGC |
| コスパ重視でビジネスホテルを探している | マカティ(アヤラ周辺) |
| フィリピンの歴史・文化を深掘りしたい | イントラムロス(昼間のみ) |
| とにかく安く泊まりたい・バックパッカー系 | マラテ(注意点を把握した上で) |
| 長期滞在・移住検討者 | BGCまたはマカティ |
逆に、こんな方には注意が必要です。
- 夜に単独行動をしたい方——BGC以外のエリアでは、夜間の単独外出はリスクが上がります
- スマートフォンを常に手に持って歩くクセがある方——スリ・ひったくりの主なターゲットになりやすいため、意識的に習慣を変えることをおすすめします
- 「安ければどこでもいい」と宿を選ぶ方——立地と治安は直結しやすいです。宿代を削った結果、移動費・精神的コストがかさむケースを聞きます
マニラから少し足を延ばしたい方には、マニラ近郊の日帰りスポットを失敗しない回り方とともに解説した記事もあわせて参考にしてみてください。
マニラ旅行の前にやっておきたい安全対策——5つのステップ


「備えあれば憂いなし」とはいえ、難しいことはほとんどありません。
出発前に5つのことをやっておくだけで、現地での安心感がかなり変わります。
よくある質問
マニラの治安について、よく寄せられる疑問をまとめました。
女性ひとりでマニラを観光しても大丈夫ですか?
BGCやマカティの昼間であれば、多くの旅行者が問題なく過ごしています。ただし夜間の単独外出は性別に関わらずリスクが上がります。移動はGrabを使い、暗い路地への立ち入りは避けましょう。
マニラとセブ、治安が良いのはどちらですか?
一概にどちらが上とは言いにくいですが、セブ島の観光エリア(マクタン島周辺など)はリゾート特化でセキュリティが整っている場所が多いです。マニラはエリアによる差が大きく、拠点選びが重要になります。
Grabはマニラ市内どこでも使えますか?
主要エリア(BGC・マカティ・イントラムロス・マラテ)であれば基本的に利用可能です。ただし混雑時や深夜は配車に時間がかかる場合があります。事前にアプリをインストールしておきましょう。
マニラの治安は以前より改善されていますか?
BGCや一部の再開発エリアは整備が進んでいますが、エリア全体での治安が均質に改善されているわけではありません。エリアごとに状況が異なるため、旅行前に最新の外務省情報を確認することをおすすめします。
まとめ——「マニラ=危険」でも「マニラ=安全」でもなく、「エリアと時間帯次第」
調べれば調べるほど見えてくるのは、マニラの治安は「白か黒か」ではないという事実です。
BGCは東南アジアの主要都市と比べても遜色ないレベルで整備されており、正しいエリアを選べばマニラは十分に楽しめる都市です。
一方でマラテの夜間、イントラムロスの日没後のような「要注意の時間帯と場所」が確実に存在するのも事実。
「なんとなく大丈夫だろう」という感覚で動くのが一番リスクを高めます。
エリアを決める・Grabを使う・夜間の単独外出を控える——この3つを守るだけで、マニラの旅は大きく変わります。
ぜひ、自分の旅のスタイルに合ったエリア選びから始めてみてください。
フィリピンの他のエリアの治安や暮らしやすさが気になる方は、ダバオの治安と生活環境をリアルな在住者目線で解説した記事も参考になります。
また、フィリピンへの移住・長期滞在を検討中の方には、ビザ・費用・生活費を網羅した移住完全ガイドもあわせてどうぞ。











