「結婚したら、フィリピンに住めるの?」——意外と知られていない13Aビザの話

フィリピン人パートナーと結婚して、いざ「一緒にフィリピンで暮らしたい」と思った時、最初にぶつかる壁がビザです。
実は、正式な国際結婚をした配偶者であれば、フィリピンには「13Aビザ(配偶者移民ビザ)」という専用のビザが用意されています。
観光ビザの延長を繰り返す……という方法もゼロではありませんが、長期滞在・就労・銀行口座開設などを考えると、13Aを取得した方が圧倒的にメリットが大きいです。
ただ、「手続きが複雑そう」「どこに何を出せばいいかわからない」という声がとても多く、ケンタも最初は調べれば調べるほど混乱したと言っていました。
この記事では、実際の申請の流れと費用の実態を、できるだけわかりやすく整理します。
ケンタ


まず数字で把握する——13Aビザのポイントをひと目で


手続きの詳細に入る前に、まず全体像を数字で把握しておきましょう。
申請費用・期間・有効期限など、13Aビザの基本スペックです。
13Aビザの申請には2つのルートがある——日本国内 vs フィリピン現地
13Aビザの取得には、大きく2つのルートがあります。
どちらが自分に向いているかを先に把握しておくと、準備がスムーズです。
| 申請ルート | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 日本国内申請 (駐日フィリピン大使館) | 日本にいながら申請できる。審査通過後にビザを取得してからフィリピン入国 | まだ日本在住・渡航前に準備を済ませたい人 |
| フィリピン現地申請 (移民局=BI) | フィリピン入国後にBI(Bureau of Immigration)に申請。審査中もフィリピン滞在可能 | すでにフィリピンに滞在中・パートナーがフィリピン在住の人 |
どちらのルートでも、最終的にフィリピン移民局(BI)が発行するビザカードを受け取る流れは同じです。
一般的には、すでにフィリピンに住んでいる、またはパートナーがフィリピン在住という方は現地申請の方がスムーズなケースが多いようです。
申請の流れをSTEPで追う——現地申請(BIルート)を例に


最も利用者が多い「フィリピン現地・移民局(BI)への申請」を例に、ステップを整理しました。
用意する書類——これを見落とすと審査が止まる


書類の不備が、申請遅延の最大の原因です。
必要書類は申請ルートによって若干異なりますが、共通して必要なものを先に確認しておきましょう。
- パスポート原本および顔写真ページのコピー(有効期限が1年以上残っているもの)
- フィリピン側の婚姻証明書(PSA発行)——フィリピン統計局(PSA)が発行する正式なもの。地方の役場が発行する証明書とは別物なので注意
- 日本の戸籍謄本(アポスティーユ付き)——外務省のアポスティーユ認証を取得した上で、フィリピン語または英語の翻訳文が必要なケースも
- 証明写真(規定サイズ)——BIの規定サイズに合わせること(日本の一般的な証明写真サイズとは異なる場合あり)
- 健康診断書——BIが指定する医療機関で受診したもの
- 警察証明書(犯歴証明)——日本で発行する場合は警察庁経由で取得。時間がかかるため早めに準備
日本国内申請の場合は、上記に加えてフィリピン大使館への提出用書類セットを別途準備する必要があり、必要書類のリストが若干変わります。
必ず最新の公式案内を確認してください。



実際にかかる「本当の」費用——公式手数料だけでは済まない


13Aビザの取得にかかる費用は「BIへの申請手数料だけ」ではありません。
翻訳・認証・交通費・代行費用なども合わせると、思った以上にかかるケースが多いです。
こんな人には向いている、こんな人は要注意
13Aビザの取得は、フィリピン人と正式に婚姻した外国人配偶者に与えられる権利です。
ただ、誰にとっても「すぐ取るべき」かというと、状況によります。
13Aビザが向いているケース
- フィリピンへの長期移住を前提としている
- フィリピン国内で就労・ビジネスを検討している(一部条件あり)
- フィリピンで銀行口座の開設や不動産関連の手続きを進めたい
- 観光ビザの延長を繰り返す手間・コストを省きたい
注意が必要なケース
- 婚姻手続きがまだ完了していない(13Aは婚姻証明書が必須)
- フィリピン滞在が年数回の短期旅行にとどまる予定——この場合は観光ビザで十分なケースも
- 犯歴や入国拒否歴がある——審査で不利になる可能性があり、事前に専門家に相談することを推奨
フィリピン移住に必要なビザ・資金・生活費を完全解説した記事も合わせて読むと、13Aと他のビザの使い分けが整理しやすいです。






見落としがちな落とし穴——申請後も気が抜けない理由


13Aビザは取得したら終わりではありません。
最初の5年間は毎年更新手続きが必要で、これを忘れると在留資格を失うリスクがあります。
- 年次更新(Annual Report)——毎年、居住エリアを管轄するBIオフィスに出頭して在住報告を行う義務がある。手数料は毎年発生
- 住所変更の届け出——フィリピン国内で引っ越した場合、BIへの住所変更届が必要。怠ると更新時にトラブルになることも
- 長期出国の際の手続き——長期間フィリピンを離れる場合、Re-Entry Permit(再入国許可)が必要なケースがある。観光感覚で出入りしていると気づかずビザが失効することも
- 5年後の恒久ビザ申請——5年後に「恒久移民ビザ(Permanent Immigrant Visa)」への切り替えが可能になる。この手続きも別途費用と書類が必要
フィリピン移住の失敗談と本当にかかる費用をまとめた記事では、ビザ管理の手抜きで痛い目を見たケースも紹介しています。
ビザのことは「取ったら安心」ではなく、継続的に管理していく意識が大切です。
代行業者を使う? 自分で申請する?——正直なメリット・デメリット
13Aビザの申請は、自力でも可能ですが、代行業者(フィリピン在住の行政書士やビザ代行会社)を利用する人も多いです。
どちらが正解かは、状況次第です。
| 自力申請 | 代行業者を利用 | |
|---|---|---|
| 費用 | 安い(公費のみ) | プラス2〜5万円程度 |
| 手間 | 書類収集・窓口対応を全て自分で行う | 書類のチェック・窓口対応を代行してもらえる |
| リスク | 書類不備で差し戻しになる可能性 | 書類ミスは減るが、業者の質にばらつきあり |
| 言語の壁 | 英語対応が必要な場面あり | 日本語対応の業者も存在する |
代行業者を選ぶ場合は、実績・口コミを必ず確認し、費用の見積もりを複数社から取ることをおすすめします。
「全部まとめてお任せ」の謳い文句で高額な料金を請求するケースも報告されているため、相場感を持った上で依頼するのが重要です。
フィリピン人との国際結婚の手続き・費用・詐欺対策を解説した記事も、この段階で読んでおくと安心です。
こんな声も——移住した人たちのリアルな体験
実際に13Aビザを取得してフィリピンへ移住した方々の声を、編集部が一般的な傾向をもとに構成しました。
書類集めが本当に大変でした。特にアポスティーユの取得に時間がかかって、申請まで3ヶ月かかりました。でも取ってしまえば、生活の安心感が全然違います。
最初は自力でやろうとしたんですが、BIのオフィスで書類の追加を何度も求められて心が折れました。結局、日本語対応の代行業者に頼んで正解だったと思っています。
年次更新があることを知らなくて、更新を忘れそうになった時はヒヤリとしました。カレンダーにしっかり登録しておくことを強くすすめます。
パートナーの家族がいろいろ手伝ってくれたので、現地の事情に詳しい人がそばにいると本当に心強いと感じました。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
よくある質問
13Aビザについてよく寄せられる疑問をまとめました。
日本で婚姻届を出しただけでも13Aビザは申請できますか?
日本側の婚姻届だけでなく、フィリピン統計局(PSA)が発行する婚姻証明書が必要です。フィリピン側でも婚姻登録を完了させておく必要があります。
審査中はフィリピンを離れてもいいですか?
現地申請(BIルート)の場合、審査期間中にフィリピンを離れると申請が取り消しになる可能性があります。審査が完了するまでは滞在を続けるのが無難です。
13Aビザを持っていれば、フィリピンで仕事はできますか?
13Aビザには就労の権利が含まれる場合もありますが、業種や雇用形態によって別途AEP(外国人雇用許可証)が必要なケースもあります。就労を前提とする場合は個別に確認が必要です。
代行業者に頼む場合、費用の相場はどれくらいですか?
日本語対応の代行業者で、概ね2〜5万円程度が相場の目安です。ただし業者によって差があるため、必ず複数社の見積もりを取り比較することをおすすめします。
更新を忘れてしまった場合はどうなりますか?
更新期限を過ぎると在留資格が失効するリスクがあります。期限が切れた場合は、罰則金が発生した上でBIに出頭し、再申請の手続きが必要になるケースが一般的です。早めに対処するのが肝心です。
まとめ——13Aビザは「移住を本気で考える人」への確かな一歩
13Aビザは、フィリピン人と正式に結婚した外国人が長期的に安心して暮らすための、最もスタンダードな選択肢です。
手続きの煩雑さや審査期間の長さは否定できませんが、取得後の生活の安定感は観光ビザの延長とは比べものになりません。
書類の準備を早めに始め、年次更新も忘れずに管理できれば、フィリピンでの生活基盤はしっかり整います。
フィリピンの家族文化や生活コストについても事前に理解しておくと、移住後のギャップが少なくなります。
フィリピン人の家族観とバヤニハン精神について解説した記事は、移住前に読んでおいて損はありません。
また、フィリピン移住の完全ガイドでは、ビザ以外のエリア選びや生活費についても網羅しているので、合わせて参考にしてみてください。
「書類が揃うか不安」「自力申請に自信がない」という方は、実績のある代行業者に相談することも一つの手です。
費用はかかっても、申請の手戻りや精神的な消耗を考えれば、決して高い投資ではないとも言えます。











