この記事を書いた人
ケンタ
元フィリピン留学エージェントとして、留学の斡旋・カウンセリング業務に携わってきました。フィリピンへの渡航歴は10回以上、セブ・マニラなど複数の都市を実際に訪れています。
TOEIC900点を保有しており、語学学習や英語力の伸ばし方についても、実体験を踏まえてお伝えできます。
「フィリピンGO!」では、こうした現地エージェントとしての実務経験と渡航経験をもとに、留学・観光・現地生活のリアルな情報を紹介しています。
「フィリピンって外国人でも不動産買えるの?」という素朴な疑問から始めよう

調べてみて驚いたのですが、フィリピンでは外国人がコンドミニアムを合法的に購入できます。
ただし「土地は買えない」というルールがあり、この点が日本とは大きく異なります。
退職後の移住先としてフィリピンを検討するとき、「賃貸と購入、どちらがいいのか」「そもそも外国人が買えるのか」と迷う方は多いはずです。
実際にリサーチしてみると、思っていたより条件が整っていて、驚くほど手が届きやすい物件も存在しました。
この記事では、外国人がコンドミニアムを購入できる条件・エリア・費用・リスクを整理してお伝えします。
購入を決める前に知っておくべきことを、ひとつひとつ丁寧に確認していきましょう。
ケンタ


まずここだけ押さえる、購入前に知っておきたい数字


費用感・条件・エリア数など、購入を検討するうえで最初に把握しておきたい数字をまとめました。
Q1. 外国人が買えるエリアはどこ? マニラ・セブ・ダバオで条件は変わる?


結論から言うと、エリアによる法律上の制限はありません。
外国人所有比率40%以下という条件さえ満たせば、フィリピン国内どこでもコンドミニアムを購入できます。
ただし、実際の人気エリアには傾向があります。
| エリア | 特徴 | 価格帯(目安) |
|---|---|---|
| マニラ(BGC・マカティ) | 都市機能が充実、日本人コミュニティも多い | 1,000万〜3,000万円 |
| マニラ近郊(パサイ・パラニャーケ) | 空港アクセスが良く、比較的手頃 | 600万〜1,200万円 |
| セブ(マクタン・ITパーク) | 海に近く、観光・リゾート感がある | 400万〜1,500万円 |
| ダバオ | 物価が安く、治安が比較的安定 | 350万〜900万円 |
| クラーク・バギオ | 涼しい気候、開発が進む穴場エリア | 300万〜800万円 |
退職後の生活拠点として検討する場合、日本語が通じるコミュニティの有無や医療アクセスも重要な判断材料になります。
セブ・マニラ・ダバオそれぞれの生活費と暮らしやすさの比較は、こちらの記事で詳しくまとめています。






Q2. 購入の手順はどうなっている? 日本から動けるの?
フィリピンのコンドミニアム購入は、日本にいる段階でもかなりの準備が進められます。
ただし最終的な契約・登記は現地での手続きが必要になるため、少なくとも1〜2回はフィリピンへの渡航が必要と考えておきましょう。
大まかな流れはこのとおりです。
- 物件選び: 日本からでもデベロッパーのウェブサイトや現地エージェント経由でリサーチ可能
- 予約金の支払い: 物件の仮押さえとして、通常5万〜20万円程度の予約金を入れる
- 売買契約の締結: 現地または公証付き委任状(SPA)を使ってリモートで対応できる場合も
- 残金の支払い: 一括払いまたは分割払い(デベロッパーによる独自ローン)を選択
- 登記・所有権移転: 移転証書(CCT/TCT)が外国人名義で発行される
注意点として、フィリピンでは外国人が現地の銀行ローンを組むことが難しい状況です。
デベロッパーが提供する分割払いプランを使うか、自己資金での購入が現実的な選択肢になります。






Q3. 実際にかかる「本当の」費用の内訳


物件価格だけ見て「思ったより安い!」と感じても、諸費用を足すと物件価格の10〜15%増しになることがよくあります。
事前に総額を把握しておくことが大切です。
Q4. 賃貸に出すことはできる? 投資目的で買うのはアリ?
外国人名義のコンドミニアムでも、賃貸に出すこと自体は可能です。
ただし、賃貸収益をフィリピン国外へ送金するには手続きが必要で、現地での銀行口座開設や確定申告なども絡んできます。
投資目的で購入する場合に気をつけたい点をまとめました。
- 供給過剰エリア(マニラ都市圏の一部)では空室リスクが高まっている
- プレセル(建設前販売)物件は開発遅延・中断リスクがある
- キャピタルゲイン税として売却益の6%が課税される
- 為替変動(ペソ/円)によって実質的な利回りが変わる
純粋な投資目的よりも「自分が住む・長期滞在する拠点として持つ」という使い方の方が、リスク管理がしやすいという声が多いのが正直なところです。
フィリピンへの投資全般のリスクについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
見落とされがちな、でも一番大切なリスクの話


コンドミニアム購入で失敗した事例を調べてみると、「法律を知らなかった」よりも「業者選びを誤った」ケースが圧倒的に多いことがわかりました。
購入前に必ず確認してほしいリスク一覧です。
- プレセル詐欺: 建設予定の物件を先に売る「プレセル」は、開発会社が倒産・計画変更するリスクがある。実績のあるデベロッパーかどうかの確認が必須
- 二重売買: 同じ物件を複数人に販売する悪質な手口。登記(CCT)の取得前に全額支払わない
- 外国人名義制限の確認漏れ: 棟全体の40%枠が既に埋まっていると購入できない。必ず枠の残数を確認する
- 管理組合の財務状況: 管理費が積み立てられていない物件は、共用部の老朽化が進みやすい
- 弁護士なし契約: フィリピンでの不動産取引は、現地の弁護士(アボガド)を介することが強く推奨される
フィリピン不動産の監督機関であるHLURBの登録状況を確認することも、詐欺回避の基本ステップです。
現地の日本人コミュニティや実績ある日本語対応エージェントの口コミを複数比較することを、編集部としてはとくに強くおすすめしたいです。
「安心料」と思ってプロに頼むのが、結果的に一番コストが低く済むケースが多いと感じています。



こんな声も
編集部が一般的な傾向をもとに構成した声です。
実際の購入検討者や移住者からよく聞かれる声を参考にまとめました。
SRRVビザの預託金と合わせると初期費用がかさむと思っていたが、セブのコンドミニアムは思ったより手頃なものが多かった。賃貸を続けるより買った方が長期的には安くなると感じて検討中。
プレセルで購入した物件が完成まで3年かかった。遅延自体は珍しくないとのことだったが、その間の資金拘束が思ったよりきつかった。余裕資金でないと厳しいと実感した。
パートナーの名義と自分の名義を組み合わせる方法も検討したが、法律的にグレーな部分が多いと弁護士に言われた。外国人名義で正規に買う方が後々安心だと感じた。
BGCは価格が上がりすぎていて、退職後の生活にはオーバースペックだと感じた。ダバオかセブの郊外エリアの方がコスパがいい物件が多い印象。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
「自分向きかどうか」を判断するためのチェックリスト
コンドミニアム購入が向いている人と、慎重に考えた方がいい人の傾向を整理しました。
| 向いている人 | 慎重に考えた方がいい人 |
|---|---|
| フィリピンへの長期滞在・移住を具体的に決めている | まだフィリピンに数回しか行ったことがない |
| 自己資金に余裕があり、ローンに頼らない購入ができる | 全財産に近い資金を投入しようとしている |
| 現地の弁護士・実績ある日本語対応エージェントを確保している | 言語・手続きを全て自分一人でこなそうとしている |
| 長期的な生活拠点として「住むこと」を最優先にしている | 短期の値上がり益を狙った投資目的が主 |
| SRRVなど長期ビザの取得と合わせて計画している | 観光ビザのみで長期居住しようとしている |
退職後にフィリピンで暮らす前に知っておくべきことは、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
コンドミニアム購入と合わせて、ビザや生活費の全体像を把握しておくと判断がしやすくなります。
購入を現実的に進めるための5ステップ


「興味はある、でも何から始めればいいかわからない」という段階から、具体的に動き出すための手順をまとめました。
まずは情報収集と現地視察から始めるのが、失敗リスクを抑える最短ルートです。
購入とビザを連動させて計画することで、フィリピン滞在の基盤が一気に整います。
よくある質問
購入を検討する方からよく寄せられる疑問をまとめました。
フィリピン人パートナーの名義で土地ごと購入することはできますか?
フィリピン国籍を持つパートナー名義であれば土地の購入も可能ですが、外国人が実質的に支配・管理する形は法律上グレーな部分があります。現地弁護士への相談を強くおすすめします。
SRRVビザと組み合わせると何かメリットがありますか?
SRRRVビザの預託金をコンドミニアム購入に充当できるプログラムがあります。ただし条件が変わることもあるため、最新情報はフィリピン退職庁(PRA)に直接確認してください。
購入した物件を将来売却する場合、資金を日本に持ち帰ることはできますか?
売却資金の海外送金は原則可能ですが、バンコ・セントラル・ング・ピリピナス(BSP)の規制に従った手続きが必要です。多額の場合は現地の銀行や弁護士と相談しながら進めてください。
物件価格はペソ建てと円建て、どちらで考えればいいですか?
現地取引はペソ建てが基本です。為替変動リスクがあるため、購入時・売却時の為替差損益も念頭に置いた資金計画を立てておくことをおすすめします。
まとめ:「買えるかどうか」より「準備できているかどうか」が大事
外国人がフィリピンでコンドミニアムを購入できること自体は、法律上きちんと整備されています。
40%ルールと弁護士確保さえ押さえれば、購入のハードルはそれほど高くありません。
ただ、失敗した事例を見ていると、「買えるかどうか」よりも「準備が整っているかどうか」が結果を大きく左右しています。
資金・ビザ・エリア・現地サポート体制を一つひとつ確認しながら進めることが、遠回りに見えて実は一番の近道です。
退職後の生活拠点としてフィリピンを選ぶ人が増えている今、コンドミニアム購入は選択肢の一つとして十分に現実的です。
退職後のフィリピン生活全体を現実的に考えたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
そして長期滞在ビザの種類と選び方については、こちらの比較記事が参考になります。













