この記事を書いた人
ケンタ
元フィリピン留学エージェントとして、留学の斡旋・カウンセリング業務に携わってきました。フィリピンへの渡航歴は10回以上、セブ・マニラなど複数の都市を実際に訪れています。
TOEIC900点を保有しており、語学学習や英語力の伸ばし方についても、実体験を踏まえてお伝えできます。
「フィリピンGO!」では、こうした現地エージェントとしての実務経験と渡航経験をもとに、留学・観光・現地生活のリアルな情報を紹介しています。
フィリピン人の9割がスマホ決済を使っている、という話

「フィリピンって現金社会じゃないの?」と思っていたら、とんでもない現実が待っていました。
調べてみると、フィリピンのデジタル決済利用率はここ数年で急激に上昇しており、国民の8〜9割がGCashまたはMayaを日常的に使っているというデータもあるほどです。
屋台のバーベキュー屋さんですら、QRコードが貼ってあることが珍しくないそう。
ただ、「現地のアプリが旅行者でもそのまま使えるのか?」はまた別の話。
SIMカードなしでの利用可否、クレジットカードの使える場所・使えない場所、ATMの手数料の現実まで、まとめて調べてみました。
ケンタ


2026年のフィリピン決済事情をひと目で把握


旅行前に頭に入れておきたい数字を4つに絞りました。
詳細は以降のセクションで解説していきます。
クレジットカードは「どこでも使える」はウソ。対応率の現実


結論から言うと、クレジットカードはマニラ・セブの大型モール・ホテル・チェーン飲食店では概ね使えますが、それ以外では想定より使えないことが多いです。
調べてみると、大雑把な使用可能率はこんな感じでした。
| 場所・業態 | カード対応状況 | 推奨する支払い方法 |
|---|---|---|
| 大型ショッピングモール(SM・Ayalaなど) | ◎ ほぼ使える | カード可・タッチ決済も◎ |
| チェーン系レストラン・カフェ | ○ 使えることが多い | カード可 |
| 中〜小規模レストラン | △ 半々 | 現金持参を推奨 |
| 交通(Grab・タクシー) | ◎ アプリ内カード払い可 | Grabアプリが便利 |
| 市場・屋台・ジプニー | × ほぼ現金のみ | 現金必須 |
| 地方・離島エリア | × 現金オンリーが多数 | 十分な現金を準備 |
カードのブランドはVisa・Mastercardであれば基本的に問題ありません。
ただし、AmexやJCBは対応店舗が限られるため、旅行メインのカードとしては避けたほうが無難です。
現金・両替・ATMの使い方まで含めた詳細な比較はこちらの記事でまとめていますので、旅行前にあわせてご確認ください。






GCash・Maya、旅行者はどこまで使えるのか?
フィリピンの二大電子ウォレット「GCash」と「Maya(旧PayMaya)」。
現地の人が日常的に使っているのを見ると、自分も使いたくなりますよね。
ただ、旅行者がこの2つをフルに活用するのは、思ったより壁があります。
それぞれの状況を整理してみました。
| 項目 | GCash | Maya |
|---|---|---|
| 外国人登録の可否 | △ 制限あり(要フィリピン番号) | △ 同様(基本は現地番号が必要) |
| SIMなしでの利用 | × 原則不可 | × 原則不可 |
| 海外クレカからのチャージ | △ 一部のVisa/Mastercardで可能な場合も | △ 同様 |
| 旅行者の実用度 | 低〜中 | 低〜中 |
GCashもMayaも、アカウント開設にはフィリピンの携帯番号(+63から始まるSIM)が基本的に必要です。
フィリピン到着後に現地SIMを購入すれば登録自体は可能ですが、本人確認(KYC)のレベルによって使える機能・チャージ上限が変わってきます。
外国人旅行者が「完全キャッシュレスでGCashを活用する」のはかなりハードルが高いのが現状です。
ただし、現地SIMを買う前提なら、短期旅行でも基本的なQR支払いは体験できます。






ATMは使えるが「手数料地獄」に要注意
クレカが使えない場面での救世主はATMです。
ただし、これも注意点があります。
フィリピンのATMは都市部では見つけやすいですが、1回の引き出しに150〜250ペソ程度の現地手数料がかかるのが一般的です。
さらに日本の銀行・カード会社側の海外ATM手数料が加わるため、1回の引き出しで実質400〜600円相当のコストが発生することもあります。
- できれば1回の引き出し金額を多めにまとめることでコストを抑えられます
- Banco de Oro(BDO)・BPI・Metrobankは都市部に多く、比較的安心して使えます
- 空港やモール内の小型ATMは手数料が高めのケースがあるため注意が必要です
- 夜間・人の少ない場所でのATM利用は防犯上の観点からも避けましょう
ちなみに、「海外ATM手数料が無料・優遇されるカード」を事前に作っていくと、この悩みをかなり軽減できます。
楽天銀行デビットカードやSony Bank WALLETなどが旅行者に人気です(手数料体系は変更になる場合があるため、出発前に各社サイトで最新情報を確認してください)。
2026年のフィリピン全体の物価感についてはこちらの記事も参考になります。



「現金ゼロで旅できる」は過信しすぎ。見落とされがちな落とし穴


キャッシュレスが進んでいるとはいえ、フィリピン旅行では現金が必要な場面が確実にあります。
以下は特に気をつけたいポイントです。
- ジプニーやトライシクル(三輪バイクタクシー)は現金のみ。地元の足を使うなら小銭を常に持ち歩くこと
- 観光地の入場料・ボートチャーター・環境保全費は現金払いが多い
- 停電・ネットワーク障害でPOS端末が使えなくなることがある(これが地味に多い)
- カードのスキミング被害を防ぐため、ATM使用時はカバーを確認する習慣をつける
- GrabはアプリにカードやGCashを登録していれば現金なしで乗れるが、アプリが使えないエリアでは現金タクシーしか選択肢がない
停電によるPOS不通は、特に地方や小規模の店舗では珍しくないそうです。
「さっきカードで払えたのに、次の店では使えなかった」という体験談も複数ありました。
こんな声も
編集部が一般的な傾向をもとに構成した声です。
実際の旅行者からよく聞かれるパターンをまとめています。
マニラのSMモールではVisaのタッチ決済が普通に使えて感動した。でも離島に移動したら現金しか使えなくて焦りました。到着前に2万円分くらいペソに換えておいてよかった。
現地SIMを空港で買ってGCashの登録を試みたけど、本人確認で止まってしまい結局使えなかった。短期旅行ならクレカ+現金の組み合わせで十分だと思います。
ATM手数料が思った以上に高くて驚いた。楽天のデビットカードを持っていくと手数料が少し抑えられると聞いていたので次回は試してみたい。
GCashが使えないと現地のQR決済に乗り遅れる感じがして悔しかった。長期滞在するなら絶対SIMを買って登録までやっておいた方がいい。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
「GCash使いこなしたい人」と「クレカ+現金で十分な人」の分岐点
旅行スタイルによって、どの決済方法を重点的に準備するかが変わってきます。
| こんな旅行者に向いている | おすすめの決済スタイル |
|---|---|
| マニラ・セブの都市部がメインで、モールやレストラン中心 | クレカ(Visa/Mastercard)+少額現金 |
| 離島・地方を周遊する、ローカル体験を楽しみたい | 現金多め+Grabアプリ(アプリ内カード払い) |
| 1週間以上の中長期滞在・現地に溶け込みたい | 現地SIM購入後にGCash登録まで挑戦する価値あり |
| 短期2〜4泊、初めてのフィリピン | クレカ+1〜2万ペソの現金で十分カバーできる |
エンジェル的には、初めての旅行者にGCashをフル活用させようとするのは少々酷だと感じています。
アカウント認証の壁があるうえ、トラブルシューティングに時間を取られると旅の時間がもったいない。
まずはクレカと現金でフィリピンの感覚をつかんでから、次の旅でGCashにチャレンジするのが現実的なステップかもしれません。
旅行準備の持ち物全般については「フィリピン旅行に絶対持っていきたいものTOP10」で詳しくまとめています。
カード・現金以外の必需品も確認してみてください。



旅行前にやっておきたい「お金まわり」の準備ステップ


出発前に少しだけ準備しておくだけで、現地でのストレスがかなり変わります。
よくある質問
フィリピンの決済事情についてよく寄せられる疑問をまとめました。
日本のSuicaやPayPayはフィリピンで使えますか?
残念ながら、SuicaはフィリピンのICカード対応端末がないため使えません。PayPayも基本的に日本国内のみの対応です。フィリピンではVisa/MastercardのタッチレスカードかGCash/MayaのQRが主流です。
GCashは日本から事前に登録できますか?
アプリのインストール自体は日本でも可能ですが、アカウント作成にはフィリピンの携帯番号(+63 SIM)が必要です。登録は現地SIMを購入した後に行うのが確実です。
現金は何ペソ持っていればいいですか?
1日あたり2,000〜3,000ペソ(約5,000〜7,500円)を目安にすると安心です。都市部メインなら少なめでも問題ありませんが、離島や地方を回る場合は多めに準備しておきましょう。
クレジットカードのスキミングや詐欺は心配ですか?
観光地ではスキミング被害の報告も散見されます。ICチップ読み取り式のPOS端末を使う店を選ぶ、ATMは銀行の正規端末を使う、明細をこまめに確認するといった基本的な対策が有効です。
Grabの支払いはどうすればいいですか?
アプリにVisa/Mastercardのクレジットカードやデビットカードをあらかじめ登録しておけば、乗車後に自動決済されます。現金払いも選べますが、カード登録がある方がスムーズです。
まとめ:フィリピン旅行の決済は「クレカ+現金+Grab」で乗り切れる
2026年のフィリピンは確かにキャッシュレス化が進んでいますが、旅行者が「SIMなしで電子マネーをフル活用」するにはまだハードルがあります。
結論として、クレカ(Visa/Mastercard)+ペソ現金2〜3万円分+Grabアプリの3点セットがもっとも現実的で頼りになる組み合わせです。
GCashやMayaは、1週間以上の滞在で現地SIMを購入できる人なら挑戦する価値は十分あります。
ただし、それが目的になって旅のテンポを崩すのはもったいない。
あくまでフィリピンの現地感を楽しむための「追加オプション」として捉えるのがちょうどいいスタンスだと思います。
セブ島3泊4日の具体的な費用内訳や、両替・ATM・カードの総合比較記事もあわせて読んでおくと、旅行前の不安がぐっと減るはずです。
準備をしっかりして、フィリピンの旅を思いっきり楽しんできてください。










