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ケンタ
元フィリピン留学エージェントとして、留学の斡旋・カウンセリング業務に携わってきました。フィリピンへの渡航歴は10回以上、セブ・マニラなど複数の都市を実際に訪れています。
TOEIC900点を保有しており、語学学習や英語力の伸ばし方についても、実体験を踏まえてお伝えできます。
「フィリピンGO!」では、こうした現地エージェントとしての実務経験と渡航経験をもとに、留学・観光・現地生活のリアルな情報を紹介しています。
「フィリピンは安全」と思って行ったら、痛い目に遭った話
フィリピンに渡航した日本人が警察や大使館に相談したケースは、年間で数百件規模に上ります。
観光・留学・移住と、目的はさまざまですが、「まさか自分が」という経験をした人は少なくありません。
治安の良いエリアもたくさんある一方で、知らなかったがために防げたはずのトラブルも多いのが現実です。
今回は、実際にフィリピンで日本人が巻き込まれた事件・トラブルを10パターンに分けて調べてみました。
旅行・留学・移住を問わず、渡航前に一度目を通しておくだけで、リスクをぐっと下げられる情報が揃っています。
ケンタ


ひと目でわかる:10の事件タイプとリスク傾向


これから紹介する10の事件タイプは、大きく「金銭トラブル」「身体的被害」「法律・ビザ関係」の3カテゴリに分けられます。
どれが一番多いかというと、金銭詐欺・スキミング系が全体の約半数を占めるという報告があります。
まずは全体像を掴んでください。
①タクシー・配車アプリでのぼったくり・遠回り
マニラ市内でいまだに報告が多いのが、タクシーのぼったくりです。
メーターを使わず交渉制を強要したり、意図的に遠回りして料金を釣り上げるケースが後を絶ちません。
Grabなどのライドシェアアプリはメーターレスで料金が事前確定するため安全性が高いとされていますが、アプリ外での追加請求を求めるドライバーに遭遇したという声もありました。
- 対策:Grabアプリを基本にし、乗る前に確定金額を必ず確認する
- 対策:空港・ホテル公式のタクシーカウンターを利用する
- 対策:知らない人に「タクシーを呼んであげる」と言われても断る
②スリ・置き引き——セブのモール・バスターミナルで急増
観光客が集まるショッピングモールやバスターミナル、市場でのスリ被害は、セブ・マニラ問わず報告されています。
特に混雑した週末のSM(ショッピングモール)周辺での被害が目立ちました。
手口としては、わざとぶつかってきて注意が逸れた隙にバッグを開けるものや、階段やエスカレーターで後ろから財布を抜くものが多いようです。
- 対策:バッグは体の前側で持ち、ファスナーをロックできるものを使う
- 対策:現金は必要最低限だけ財布に入れ、残りはホテルの金庫に
- 対策:スマートフォンをテーブルや膝の上に無防備に置かない



③ATMスキミング・偽札——現金トラブルの実態
フィリピンではATMへのスキミング装置設置による被害が確認されています。
特に夜間の路上ATMや、管理が手薄な個人商店内のATMが狙われやすいとされています。
また、お釣りとして渡された紙幣が偽札だったというケースも旅行者から報告されており、夜市や屋台エリアでの現金授受には注意が必要です。
- 対策:ATMは銀行内・モール内の管理された機械を使う
- 対策:カードの暗証番号入力時は必ず手で隠す
- 対策:お釣りはその場で枚数と金額を声に出して確認する
フィリピン旅行の現金・両替・ATM・カードの使い方については、こちらの記事で詳しく解説していますのであわせて読んでみてください。
④ロマンス詐欺・SNS経由の金銭トラブル
SNSやマッチングアプリを通じて知り合ったフィリピン人から「家族が入院した」「飛行機代が足りない」などと金銭を求められる、いわゆるロマンス詐欺の被害が増えています。
被害額は数十万円〜数百万円に上るケースもあり、在フィリピン日本国大使館も注意喚起を出しているほどです。
「本当に好かれている」と信じて送金してしまうケースが後を絶ちません。
フィリピン人女性に騙された実例と対策については、この記事でリアルな声をまとめています。
金銭が絡む関係には、初期段階から慎重な判断が必要です。






⑤強盗・バイクによるひったくり
マニラ首都圏やセブ市内の一部エリアでは、バイクに乗った2人組がすれ違いざまにスマートフォンやバッグをひったくる手口が報告されています。
夜間の人通りが少ない路地で特に多い傾向があります。
また、地方エリアへのひとり旅中に強盗に遭ったというケースも報告されており、危険なエリアへの単独での夜間外出は避けるべきとされています。
- 対策:夜間の一人歩きは最小限に。移動はGrabを使う
- 対策:スマートフォンを歩きながら操作しない
- 対策:高価な時計・ジュエリーは目立つ場所に付けない
マニラのエリア別治安については、マカティ・BGC・イントラムロス・マラテを比較した記事が参考になります。
⑥薬物・飲み物への異物混入
見知らぬ人から提供された飲み物に睡眠薬が入っていて、気づいたら貴重品が無くなっていたという被害事例が複数報告されています。
ナイトスポット周辺や、声をかけてきた「親切な現地人」との飲酒がきっかけになるケースが多いようです。
「知らない人に飲み物をごちそうしてもらう」という状況自体を、できる限り避けることが最大の防衛策です。
- 対策:飲み物は自分の目の前でオーダー・開封されたものだけ飲む
- 対策:席を離れた飲み物には戻らない
- 対策:具合が悪くなったらすぐに同行者や信頼できるスタッフに伝える
⑦不法就労・ビザ違反で拘束されたケース
観光ビザ(Tourist Visa)で滞在しながら、フリーランスの業務やオンライン収入を得ていた日本人が、移民局(BI)に摘発されたという事例があります。
フィリピンでは観光ビザ滞在中の就労は原則禁止されており、リモートワークであっても法的にはグレーゾーンとされています。
違反が発覚した場合は強制送還・入国拒否のリスクもあります。
就労を伴う滞在にはフィリピン9Gワークビザの取得が必要です。
ビザの種類と自分の滞在目的が合っているか、渡航前に必ず確認してください。



⑧交通事故・バイクタクシーでの負傷
フィリピンの道路事情はかなり独特で、交通ルールの運用が日本とは大きく異なります。
特に地方都市でのバイクタクシー(ハバルハバル)は安全基準が曖昧で、転倒・接触事故による負傷例が報告されています。
交通事故で入院した場合、海外旅行保険未加入だと医療費が数十万〜数百万円に上るケースもあります。
フィリピンでは外国人患者への事前支払い要求も珍しくありません。
フィリピンでの医療・健康保険の備え方については、この記事で詳しくまとめています。
渡航前に保険の確認を。
⑨不動産・投資詐欺——「安く買えます」の罠
フィリピンへの移住・投資に関心が高まる中、「外国人でも格安でコンドミニアムが買える」「高利回りの投資案件がある」などと接触してきた業者からトラブルに巻き込まれたケースが報告されています。
中には日本語堪能なエージェントが絡んでいることもあり、安心してしまいがちな点が危険です。
実際の契約内容・開発業者の信用情報を必ず第三者に確認してから契約することが大切です。
フィリピンで外国人がコンドミニアムを購入する際の正しい手順と注意点はこちらの記事で解説しています。
⑩「友達の友達」経由の持ち込み依頼——知らぬ間に運び屋に
旅行者・留学生が巻き込まれるケースとして、「日本へのお土産を一緒に持っていってほしい」と頼まれ、知らずに違法な物品を運ばされそうになった、あるいは実際に運んでしまったという事例があります。
フィリピンから日本への麻薬密輸は、発覚すれば日本・フィリピン両国での重大刑事事件となります。
「知らなかった」という主張は通じません。
- 対策:他人から預かった荷物を預かって運ぶことは絶対に断る
- 対策:見知らぬ人・短期間で知り合った人からの頼みごとは特に注意
- 対策:荷物に不審な重量感・臭いがある場合は空港スタッフに申告
10の事件タイプ:リスクレベルと対策を一覧で確認
ここまでの内容を一覧でまとめました。
自分の渡航目的・滞在スタイルと照らし合わせて、特にリスクの高い項目を重点的に対策してください。
| 事件タイプ | 主な対象者 | リスク度 |
|---|---|---|
| ①タクシーぼったくり | 観光客全般 | ★★★★☆ |
| ②スリ・置き引き | 観光客全般 | ★★★★☆ |
| ③ATMスキミング・偽札 | 観光客・長期滞在者 | ★★★☆☆ |
| ④ロマンス詐欺 | SNS利用者・単身男性 | ★★★★★ |
| ⑤ひったくり・強盗 | 夜間外出者 | ★★★☆☆ |
| ⑥飲み物への異物混入 | ナイトスポット利用者 | ★★★☆☆ |
| ⑦ビザ違反・不法就労 | リモートワーカー | ★★★★☆ |
| ⑧交通事故 | 地方旅行者 | ★★★☆☆ |
| ⑨不動産・投資詐欺 | 移住・投資検討者 | ★★★★☆ |
| ⑩運び屋への巻き込み | 留学生・若年旅行者 | ★★★★★ |
こんな声も:実際に渡航した人の体験談
編集部が一般的な傾向をもとに構成した声です。
特定の個人の体験ではなく、よく聞かれる声をまとめたものです。
空港からのタクシーで最初にぼったくられました。Grabを使えばよかったと後悔。次の渡航からは絶対Grabしか使いません。
留学中にSNSで知り合った人から「家族が病気で」という話が来て、危うく送金するところでした。学校のスタッフに相談したら詐欺の典型パターンだと教えてもらいました。
投資セミナーで日本語ペラペラのエージェントに声をかけられ、コンドミニアムを勧められました。帰国後に調べたら実態が不透明な業者だったと分かって、契約しなくて本当によかった。
夜の屋台でお釣りをもらったら偽札が混じっていて。その場ですぐ指摘したら渋々本物と替えてくれましたが、気づかなかったらそのまま損していたと思います。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
トラブルを防ぐ:渡航前にやっておきたい5つの準備


リスクを知ったうえで、具体的な対策を事前に整えておくことが大切です。
よくある質問
渡航を検討している方からよく聞かれる疑問をまとめました。
フィリピンは本当に危ない国なんですか?
エリアによってリスクは大きく異なります。BGC・マカティなど整備されたエリアは比較的安全ですが、夜間の旧市街や地方の一部エリアはリスクが上がります。知識と行動で大半のトラブルは防げます。
海外旅行保険は必須ですか?
強く推奨します。フィリピンの民間病院は外国人に対して治療前に費用の支払い・デポジットを求めることがあります。保険なしで入院すると数十万円規模の費用がかかるケースもあります。
観光ビザでリモートワークをするのは違法ですか?
現状フィリピンの法律上、観光ビザでの就労は原則禁止です。リモートワークであっても法的にはグレーゾーンとされており、リスクがあります。長期滞在・就労目的には適切なビザを取得してください。
トラブルに遭ったらどこに連絡すればいいですか?
まずフィリピン警察(911)、次に在フィリピン日本国大使館(マニラ: +63-2-8551-5710)に連絡してください。パスポートを紛失した場合は大使館で「帰国のための渡航書」を発行してもらえます。
ロマンス詐欺に遭ったかもしれません。どうすればいいですか?
まず送金をすぐに停止してください。その後、日本の警察相談窓口(#9110)や消費者ホットライン(188)に相談することをおすすめします。大使館でも状況に応じた情報提供を行っています。
まとめ:フィリピンを楽しむために、リスクと向き合う
フィリピンは本当に魅力的な国です。
人の温かさ、海の美しさ、食事のバリエーション。
それは事実です。
でも「楽しいだけの場所」と思い込んで無防備に行くと、痛い経験をする可能性があるのも否定できません。
今回紹介した10の事件タイプは、どれも「知っていれば防げた」ものがほとんどです。
対策は難しくありません。
Grabを使う、貴重品を分散させる、不審な頼みごとは断る——それだけで大半のリスクは下げられます。
マニラのどのエリアに滞在するかによっても治安レベルは変わります。
滞在計画と合わせてエリアの特性を事前に調べておくと安心です。
また長期滞在・移住を検討している方は、ビザの種類と選び方について正確な情報を把握しておくことが、法的トラブルを防ぐ最初の一歩になります。
フィリピンを存分に楽しむために、準備だけはしっかりと。













