この記事を書いた人
ケンタ
元フィリピン留学エージェントとして、留学の斡旋・カウンセリング業務に携わってきました。フィリピンへの渡航歴は10回以上、セブ・マニラなど複数の都市を実際に訪れています。
TOEIC900点を保有しており、語学学習や英語力の伸ばし方についても、実体験を踏まえてお伝えできます。
「フィリピンGO!」では、こうした現地エージェントとしての実務経験と渡航経験をもとに、留学・観光・現地生活のリアルな情報を紹介しています。
「うちの子も一緒に連れて行ける?」その答え、実はYESでした

フィリピン移住を考え始めたとき、家族に囲まれた愛犬・愛猫を置いていくという選択肢は最初から無かった、という人は少なくないようです。
結論から言うと、条件を満たせば犬猫の同伴移住は可能です。
ただし「空港に連れて行けば終わり」という単純な話ではありませんでした。
調べてみると、日本側の輸出検疫とフィリピン側の輸入許可、この2つの国の手続きが絡み合う、想像以上に段取り勝負の世界だったのです。
ケンタ


ひと目でわかるペット移住のリアル


まずは全体像を数字で押さえておきましょう。
国によって差はありますが、フィリピンの場合はこのくらいが目安になります。
Q1. そもそも書類だけで大丈夫?検疫の壁は高いの?
結論、狂犬病の予防接種歴があれば大きな壁にはなりにくいようです。
フィリピンは日本と同じく「狂犬病清浄地域」扱いになっているため、条件を満たせば到着後の長期隔離は原則不要とされています。
ここは意外と知られていない点でした。
ただし必要なのは、日本の動物検疫所が発行する輸出検疫証明書と、フィリピン農業省(BAI)が発行するNTIP(輸入許可証)の2枚。
どちらか片方でも欠けると空港で足止めになるケースがあるそうです。
Q2. 日本を出る前にやることは?意外と時間がかかる工程はどこ?
一番時間がかかるのはマイクロチップ装着から30日以上経過してからの狂犬病抗体価検査の部分です。
順番を間違えると、検査が無効になって最初からやり直しというケースもあるらしく、逆算スケジュールがとても重要になります。
- マイクロチップを装着する(未装着の場合)
- 狂犬病予防接種を2回以上受ける
- 抗体価検査を受け、0.5IU/ml以上の結果を得る
- 検査後180日待機(初回のみ。以降は継続接種でOK)
- 出発直前に動物検疫所へ輸出届を提出する
この180日待機期間があることを知らずに移住スケジュールを組んでしまい、出発が半年遅れたという話も聞きました。






Q3. フィリピン側のNTIP取得ってどう進めるの?
NTIP(輸入通関許可)はフィリピン到着の少なくとも2週間前には申請しておきたい書類です。
フィリピン農業省のBAI(動物検疫局)に、日本側の健康診断書・予防接種証明・抗体価検査結果などを提出してオンライン申請する流れが基本になっています。
英語書類のやり取りに不安がある場合は、フィリピン側の通関代行業者に依頼するケースも多いようです。
費用は1万〜3万円程度が目安とされています。
Q4. 実際にかかる「本当の」費用はどれくらい?


総額でみると5万〜15万円前後に収まる人が多い印象です。
ただし機内持ち込みか貨物室輸送かで大きく変わってきます。
「え、そんなに安いの?」と思う人もいれば、「思ったより航空会社の輸送費がかさむ」と感じる人もいて、内訳を知っておくと予算感がつかみやすくなります。
見落とされがちな注意点、航空会社選びで明暗が分かれます


実はここが一番トラブルになりやすいポイントかもしれません。
ペット輸送を受け入れていない航空会社も普通にあるからです。
- 体重・ケージサイズの上限を事前に確認する(航空会社ごとに基準が違う)
- 夏場の直行便では気温規制により貨物室輸送を断られることがある
- マニラ以外の地方空港では、動物検疫の窓口対応時間が限られている場合がある
- ペットホテル代わりの一時預かり施設が、到着後すぐ見つかるとは限らない
「予約した便がペット非対応だった」という理由で出発直前に飛行機を変更した、という話は編集部でも複数回聞きました。
フライト予約の前に、必ずペットポリシーを確認しておきたいところです。
住まい探しの段階でもペット可の物件かどうかは要チェックです。
フィリピンのコンドミニアム家賃相場については別記事で詳しく比較していますので、併せて確認しておくと安心です。
こんな声も
編集部が一般的な傾向をもとに構成した声です。
抗体価検査の待機期間を知らなくて、移住予定が半年ずれ込んだ
貨物室輸送の気温規制で夏の便が使えず、時期をずらして正解だった
思ったより費用が安く済んで、書類さえ揃えばあとは意外とスムーズだった
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
こんな人は同伴向き、こんな人は一旦立ち止まったほうがいいかも
すべての人にペット同伴移住をおすすめできるわけではありません。
移住先の住まいがすでにペット可で決まっている人、日本でマイクロチップ+複数回接種を済ませている人は準備がスムーズに進みやすい傾向にあります。
逆に、住まいが未定のまま出発日を先に決めてしまっている人や、高齢・持病のあるペットを連れて行こうとしている人は、獣医師と渡航可否を相談してから動くほうが安全です。
フィリピンの獣医療体制は都市部と地方で差が大きい、という点も見落とされがちでした。
準備の仕方・逆算スケジュールの立て方


ポイントは移住日から逆算して動くことです。
仕事やビザの準備よりペットの検査を先に着手する、くらいの意識でちょうどいいかもしれません。
全体のスケジュールが複雑に感じる場合は、移住全体の段取りごと専門家に相談してしまうのも一つの方法です。
無料カウンセリングで移住準備の相談をしてみる人も増えているようです。
よくある質問
本文で触れきれなかった細かい疑問をまとめました。
フィリピン到着後、ペットは隔離されますか?
狂犬病清浄地域からの入国で条件を満たしていれば、原則として長期隔離は不要とされています。ただし書類不備の場合は現地で追加対応を求められることがあります。
犬種・猫種によって持ち込みが制限されることはありますか?
航空会社によっては短頭種(パグ・フレンチブルドッグなど)の貨物室輸送を断るケースがあります。予約前に確認が必要です。
現地で獣医にかかることはできますか?
マニラやセブなど都市部には設備の整った動物病院があります。地方に移住する場合は、事前に最寄りの病院を調べておくと安心です。
費用を抑える方法はありますか?
書類手続きを自分で行い代行業者を使わない、機内持ち込みサイズのケージに収まる小型犬・猫を選ぶ、といった工夫で費用を抑えられる場合があります。
まとめ、段取りさえ押さえれば道は開けています
ペット同伴でのフィリピン移住は、想像していたより現実的な選択肢だったというのが調べてみての実感です。
ただし、日本側の180日待機期間やフィリピン側のNTIP申請など、逆算しないと間に合わない工程がいくつもあります。
移住計画の一番最初に、ペットの検査スケジュールから着手する。
これが一番の近道かもしれません。
住まいやビザの検討と合わせて、50代・60代からのフィリピン移住の生活費やビザについても事前に確認しておくと、移住全体の計画がぐっと立てやすくなります。










