この記事を書いた人
ケンタ
元フィリピン留学エージェントとして、留学の斡旋・カウンセリング業務に携わってきました。フィリピンへの渡航歴は10回以上、セブ・マニラなど複数の都市を実際に訪れています。
TOEIC900点を保有しており、語学学習や英語力の伸ばし方についても、実体験を踏まえてお伝えできます。
「フィリピンGO!」では、こうした現地エージェントとしての実務経験と渡航経験をもとに、留学・観光・現地生活のリアルな情報を紹介しています。
「定年後は南国でのんびり」だけじゃない、という発見

定年後のフィリピン移住というと、ビーチでのんびり年金生活、というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
ところが調べてみると、実際に移住した日本人の中には60代・70代で現地の仕事に就いている人が意外と多いことが分かってきました。
語学学校の日本人スタッフ、不動産の紹介業、小さなカフェの経営など、その形はさまざまです。
「働く」という選択肢が老後移住にどう関わってくるのか、一緒に調べてみました。
ケンタ


ひと目でわかる、定年後フィリピンで働く現実


まず押さえておきたいのが、フィリピンで外国人が働くには就労ビザと就労許可(AEP)が原則必要という点です。
旅行ビザのまま報酬を得る仕事はできません。
実際にかかる「本当の」ビザ・許可の費用


現地企業に雇用されて働く場合、必要になるのが9G就労ビザとAEP(就労許可証)です。
両方合わせると、初回取得だけで数十万円かかることも珍しくありません。
更新も毎年必要になるため、継続的なコストとして見込んでおく必要があります。
詳しい取得手順や条件についてはフィリピン9Gワークビザ取得完全ガイドで詳しく解説しています。
「雇われる」と「自分で興す」、実際どちらが現実的?


調べていくと、定年後の働き方は大きく現地企業への就労と自分でビジネスを興すの2パターンに分かれることが分かりました。
どちらにもメリット・デメリットがあり、一方的に「こちらが正解」とは言い切れません。



見落とされがちな落とし穴、現地雇用のリアル


意外に見落とされがちなのが、フィリピンでは外国人の一般雇用そのものが法律上かなり制限されているという点です。
現地の人と同じ職を外国人が奪わないよう、就労が認められる業種は限られています。
- 日本語を活かせる仕事:通訳、日系企業の管理職、語学学校の講師など
- 専門性の高い仕事:コンサルタント、技術指導、投資関連業務
- 単純労働・接客業は原則として就労ビザが下りにくい
- 年齢を理由に採用を敬遠する現地企業もゼロではない
転職や求人探しで失敗しないためのポイントはフィリピンでの転職に関する記事でも詳しく取り上げています。






こんな声も
編集部が一般的な傾向をもとに構成した声です。
実際に定年後移住を検討・経験した方々の声を一般化して紹介します。
年金だけでも暮らせるが、働くことで生活リズムが整い、現地の友人も増えた
外資規制の複雑さに最初は戸惑ったが、現地弁護士に相談してから見通しが立った
現地就労ビザを取らずに済むので、ネット環境さえ整えば一番気楽だと感じている
資本金のハードルは高かったが、時間に余裕があるからこそ挑戦できた
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
向いている人、慎重になったほうがいい人
結論から言うと、「働くこと自体が目的」の人は向いていて、「生活費の穴埋め」目的だけの人は要注意です。
現地の給与水準は日本よりかなり低めなので、収入源として本格的に頼るのは現実的ではありません。
- 向いている:日本語力や専門スキルを活かして社会とつながりたい人
- 向いている:年金や貯蓄に加えて少額の副収入があれば十分と考えられる人
- 要注意:現地就労だけで生活費を賄おうとしている人
- 要注意:ビザ・許可の手続きを軽視して「なんとかなる」と考えている人
準備の仕方・始め方のステップ


思いつきで動くと就労ビザや外資規制の壁にぶつかりやすいので、順番に準備するのが安全です。
ビザの種類選びで迷う場合はSRRVとクォータビザを比較した記事も参考になります。
まずは無料カウンセリングで現状や希望を整理してみるのも一つの手です。
よくある質問
定年後の就労に関して、よく聞かれる質問をまとめました。
定年後でも現地企業に雇用されることは可能ですか?
可能ですが、就労ビザ(9G)と就労許可(AEP)の取得が必須です。日本語力や専門スキルを求める求人が中心になります。
SRRV(リタイアメントビザ)でも働けますか?
SRRVは原則として就労を目的としたビザではありません。働きたい場合は別途就労許可の取得が必要になるケースが多いです。
年金だけで生活しながら軽く仕事もできますか?
リモートで日本の仕事を続ける、小規模な投資ビジネスを行うなど、収入補填程度の関わり方をしている人もいます。
起業は誰でもできますか?
業種によって外国人の出資比率に制限があり、最低資本金も必要です。事前に外資規制を確認しておくことが欠かせません。
まとめ
定年後のフィリピン移住で働くという選択肢は、想像より現実的でありながら、想像より手続きが複雑でもあります。
収入源として頼るというより、社会とのつながりや生きがいとして働くという位置づけの方が、無理なく続けやすいというのが率直な印象です。
まずはビザ制度の違いを理解するところから始めてみてはどうでしょうか。
老後の生活設計全体については退職後にフィリピンで暮らす場合の生活費や結婚事情を解説した記事も参考にしてみてください。











