7,641島の国で、どこに行けばいいのか問題

フィリピンは島の数が7,641。
太平洋とアジアの交差点に浮かぶこの国、「どこに行けばいいか分からない」という声をよく聞きます。
セブ島だけでも観光スポットは数十か所。
マニラは大都市でありながら歴史遺産が残り、パラワン島は「世界で最も美しいビーチ」に何度も選ばれています。
そしてその多くが、日本からの直行便または短い乗り継ぎで行ける距離にあります。
この記事では、フィリピン全土の観光名所を30か所、エリア別に厳選してご紹介します。
「どのエリアをどう組み合わせるか」も含めて解説しますので、ぜひ旅の計画の参考にしてください。
ケンタ


フィリピン観光、まず数字で把握する


旅の計画を立てる前に、まず全体像を数字で整理しておきましょう。
費用感・日数感・シーズン感、ここを押さえれば迷いが減ります。
7日間旅行でかかる「本当の」費用内訳


フィリピン旅行の費用は、エリアと宿泊クラスによって大きく変わります。
以下は7泊8日のモデルケース(ひとり・中価格帯)での目安です。
ビーチリゾート(ボラカイ・エルニド)に泊まると宿泊費が跳ね上がる一方、マニラ・セブ市内はゲストハウスから高級ホテルまで選択肢が豊富。
予算に応じてエリアを組み合わせるのが賢い選択です。
「フィリピンは安い」は本当ですが、離島リゾートは欧米並みの価格帯になるスポットもあるため、事前確認が必要です。
①〜⑩ マニラ・ルソン島エリア|歴史と都市が混在する首都圏


マニラは「危ない」というイメージを持たれがちですが、エリアを選べば安全で見どころも豊富です。
スペイン植民地時代の遺産と現代の高層ビル群が隣り合う、不思議な魅力があります。
📍 ①イントラムロス:16世紀にスペインが築いた城塞都市。
石畳の路地、サンチャゴ要塞、マニラ大聖堂が残り、「フィリピン歴史の入り口」とも呼ばれます。
午前中の涼しい時間帯に訪れるのがおすすめです。
📍 ②リサール公園(ルネタ公園):フィリピン独立の英雄ホセ・リサールの像が立つ広大な公園。
夕暮れ時の芝生でくつろぐ地元の人々の姿が印象的で、観光地でありながら「生活の場」として機能しています。
📍 ③BGC(ボニファシオ・グローバル・シティ):マニラ郊外に整備された新都市。
清潔で安全、カフェや美術館も充実しており、フィリピンの「今」を体感できます。
野外アート作品が至る所に設置されているのも特徴です。
📍 ④マカティ市街:フィリピン最大のビジネス街。
高級ショッピングモール、グルメレストランが集まり、夜も活気があります。
初めてのマニラ滞在ならここを拠点にするのが安心です。
📍 ⑤国立博物館(ナショナルミュージアム):美術・自然科学・人類学の3棟からなる大型博物館。
フアン・ルナの大作「スポリアリウム」が常設展示されており、入場料は無料(2026年現在)。
フィリピンの歴史・文化を深く知りたい人には絶対おすすめです。
📍 ⑥タール火山(バタンガス):マニラから約2〜3時間のバタンガス州にある世界最小級の活火山のひとつ。
湖の中島に火山があるという珍しい地形で、ボートとトレッキングで山頂のカルデラ湖まで行けます(活動状況により立入制限あり・事前確認必須)。
📍 ⑦パグサンハン滝(ラグナ):カヌーで渓谷をさかのぼりながら到達する大型の滝。
映画「地獄の黙示録」のロケ地としても有名で、全身びしょ濡れになる迫力は忘れられない体験です。
マニラから日帰りで行けるスポットを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にどうぞ。
📍 ⑧ピナトゥボ山(クラーク):1991年の大噴火で形成されたカルデラ湖トレッキング。
コバルトブルーの湖が待つ頂上は「フィリピンで最もドラマチックな風景」のひとつです。
4WD車とガイドが必須で、ツアー参加が基本です。
📍 ⑨バナウェの棚田(イフガオ州):約2,000年前に先住民族イフガオ族が築いたとされる棚田群。
ユネスコ世界遺産に登録されており、「天国への階段」とも呼ばれます。
マニラから北へ約9時間と遠いですが、それだけの価値がある絶景です。
📍 ⑩バギオ市:標高約1,500mにある「フィリピンの夏の都」。
熱帯の国とは思えない涼しい気候で、市場・芸術・カフェが充実しています。
フィリピン旅行に疲れたら、ひと休みに訪れたいエリアです。



⑪〜⑳ セブ島・ビサヤ地方|フィリピン旅行の王道エリア


フィリピン旅行で最も人気が高いエリアがビサヤ地方。
セブ島を中心に、ボホール・シキホール・ネグロスなど個性豊かな島が集まっています。
📍 ⑪マゼラン十字架(セブ・シティ):1521年にマゼランがフィリピンにキリスト教を伝えた際に建てられたとされる十字架のレプリカ。
小さいですが、フィリピンの宗教・歴史を象徴する場所です。
📍 ⑫サント・ニーニョ聖堂(セブ・シティ):フィリピン最古のキリスト教会(1565年創建)。
現在も信者が絶えない現役の聖堂で、毎年1月の「シヌログ祭」では街全体が熱狂に包まれます。
📍 ⑬マクタン島(セブ):セブ空港が位置するリゾートアイランド。
透明度の高い海でのシュノーケリング・ダイビングが楽しめ、高級リゾートホテルが集まっています。
セブ観光の定番スタートポイントです。
セブ島のマリンアクティビティを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
📍 ⑭オスロブ(セブ):毎朝ジンベエザメと一緒に泳げることで世界的に有名なスポット。
セブ市街から約3〜4時間南。
自然への影響を懸念する声もあり、ルールを守った観光が求められます。
📍 ⑮モアルボアル(セブ):ダイビングの聖地として世界中のダイバーが訪れる小さな町。
ペスカドール島の沖では、渦を巻くイワシの大群「サーディン・ラン」が観察できます。
📍 ⑯チョコレートヒルズ(ボホール島):1,776個もの円錐形の丘が乾季に茶色くなる、世界的にも珍しい地形。
ボホール島のシンボルで、ボホール島の観光スポットや移動手段については、こちらの完全ガイドで詳しく解説しています。
📍 ⑰ターシャ保護区(ボホール島):世界最小級の霊長類ターシャ(メガネザル)を保護・観察できる施設。
目の大きさが体に不釣り合いなほど大きく、初めて見ると誰もが驚きます。
📍 ⑱シキホール島:「魔法の島」として知られる神秘的な離島。
透き通った海と素朴な集落、地元に伝わる民間療法の文化が独特の雰囲気を作り出しています。
近年バックパッカーの間で人気急上昇中です。
📍 ⑲カンタベイ島(アポ島・ネグロス):ネグロス島沖に浮かぶ小さな海洋保護区。
ウミガメとの遭遇率が非常に高く、ダイビング・シュノーケリングのスポットとして一流です。
📍 ⑳ボラカイ島(アクラン):フィリピンが世界に誇る白砂ビーチの島。
ホワイトビーチは4km続く真っ白な砂浜で、夕暮れ時のオレンジ色に染まる空と海のコントラストは圧巻。
2018年に一時閉鎖・環境整備が行われたことで、海の透明度が一段と回復しています。






㉑〜㉕ パラワン島|世界が認めた「地球最後の秘境」


パラワン島はナショナルジオグラフィックやコンデナスト・トラベラーなど、複数の国際メディアから「世界で最も美しい島」に選ばれてきたエリアです。
フィリピンの中でも別格の存在感があります。
📍 ㉑エルニド(パラワン):石灰岩の断崖に囲まれたラグーンと、エメラルドグリーンの海が広がるアイランドホッピングの聖地。
ツアーA〜Dの4コースがあり、エルニドのアイランドホッピング選び方については、こちらの完全ガイドで詳しく解説しています。
📍 ㉒コロン島(パラワン):世界屈指のダイビングスポットで、第二次世界大戦中に沈んだ日本の艦船が多数残るレック(沈船)ダイビングでも有名。
透明度の高い湖「カヤンガン湖」は陸から歩いてアクセスでき、ダイバーでなくても楽しめます。
コロン島の観光スポットを詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
📍 ㉓プエルト・プリンセサ地下河川:ユネスコ世界遺産に登録されているパラワン本島の洞窟河川。
全長8.2kmのうち約4kmをボートで遊覧でき、巨大な鍾乳石と暗闇の中を流れる川は幻想的です。
📍 ㉔サンビセンテ(パラワン):全長14kmの「ロングビーチ」が有名。
まだ観光開発が途上の穴場エリアで、エルニドに比べて人が少なく、のんびり過ごしたい旅行者に向いています。
📍 ㉕バラバック島(パラワン):パラワン最南端に位置する秘境の離島群。
アクセスに時間がかかる分(プエルト・プリンセサから8〜10時間程度)、手つかずのビーチと透明な浅瀬が残っています。
上級者向けの穴場です。
㉖〜㉚ ダバオ・ミンダナオ・その他エリア|知られざる多様性


フィリピン南部・ミンダナオ島は、かつて治安への懸念からなかなか足を踏み入れる人が少なかったエリアですが、ダバオ市については「フィリピンで最も清潔・安全な都市のひとつ」と評されるまでになっています。
果物の豊富さと自然の雄大さが魅力です。
📍 ㉖ダバオ市(ミンダナオ):フィリピンで最も面積の大きい都市。
「果物の都」とも呼ばれ、マンゴスチン・ドリアン・ポメロなど熱帯果物が安く楽しめます。
人民公園や国立博物館など市内観光も充実しています。
📍 ㉗アポ山(ダバオ):フィリピン最高峰・標高2,954mの活火山。
本格的なトレッキングで知られており、山頂からの眺望は格別です。
ガイドとのツアー参加が必須で、体力に自信がある旅行者向けです。
📍 ㉘サマル島(ダバオ):ダバオ湾に浮かぶリゾートアイランド。
ダバオ市内からボートで約5〜10分というアクセスの良さが魅力で、ビーチ・洞窟・ダイビングが楽しめます。
ダバオ観光の定番セットです。
📍 ㉙シアルガオ島(スリガオ・デル・ノルテ):「フィリピンのサーフィンの聖地」として国際的に知られる離島。
クラウドナイン(Cloud 9)と呼ばれる世界レベルの波が有名で、サーファーでなくてもアイランドホッピングやのんびりした島時間を楽しめます。
近年リゾート開発が急速に進んでいます。
📍 ㉚カミギン島(ミサミス・オリエンタル):「活火山の島」として知られる小さな島。
沖合には沈水した十字架(サンクン・セメタリー)があり、シュノーケリングで海中の十字架を見られます。
温泉・白砂礫の砂州・滝など、多彩な自然が一島に凝縮された穴場です。



エリア別に何日必要か|旅程の組み方の目安
フィリピンは広く、島間移動に時間がかかります。
「全部回りたい」という気持ちはわかりますが、移動に追われる旅は疲弊します。
エリアを絞り込むのが成功の秘訣です。
| エリア | 最低日数 | 主なアクセス |
|---|---|---|
| マニラ・ルソン | 2〜3日 | 日本から直行便あり |
| セブ・ビサヤ | 4〜7日 | 日本から直行便あり |
| ボラカイ | 3〜5日 | セブ or マニラ経由 |
| パラワン(エルニド) | 4〜7日 | マニラ経由が基本 |
| コロン | 3〜5日 | マニラ経由 |
| ダバオ・シアルガオ | 3〜5日 | マニラ or セブ経由 |
複数エリアを組み合わせる場合、10〜14日以上を確保するのが理想的です。
1週間以内の旅行であれば、マニラ+ボホール、またはセブ島集中など「1〜2エリアに絞る」方が満足度が高くなりやすいです。
旅行前に知っておくべき注意点・よくある落とし穴


フィリピン旅行は比較的旅しやすい国ですが、いくつか事前に知っておかないと損をするポイントがあります。
- 国内線の遅延は日常茶飯事:フィリピンの国内線は遅延・欠航が多く、島間移動の接続には余裕を持ったスケジュールが必須です。最終日前日に島移動を入れると、帰国便に間に合わないリスクがあります
- 雨季(6〜10月)は海況が不安定:アイランドホッピングやダイビングが目的なら、乾季(11〜5月)を選ぶのが安全です。台風シーズンと重なる7〜9月は特に注意が必要です
- 観光スポットによって「入場料」や「環境保全費」が別途かかります。ボラカイは「グリーンフィー」、パラワン各地も保護区ごとに費用が発生します。現地ATMで現金を引き出せるよう準備しておきましょう
- フィリピン国内の離島では電力・Wi-Fiが不安定なエリアもあります。オフライン地図(Maps.meなど)のダウンロードが旅の安心につながります
- 治安はエリアによって大きく異なります。マニラ市内のエリア選択と基本的な防犯意識は旅行前に確認しておくことをおすすめします
こんな人に向いている・こんな人は計画を練り直したい
フィリピン観光は多彩な楽しみ方があります。
自分のスタイルと照らし合わせて、旅の方向性を確認しておきましょう。
| タイプ | おすすめスポット・ポイント |
|---|---|
| 🌊 海・ダイビングが目的 | コロン・モアルボアル・アポ島・シアルガオ |
| 🏖 のんびりリゾート希望 | ボラカイ・エルニド・サンビセンテ |
| 🏛 歴史・文化を深掘りしたい | マニラ(イントラムロス・国立博物館)・バナウェ棚田 |
| 🌿 自然・アドベンチャー系 | ピナトゥボ山・アポ山・パグサンハン滝 |
| 🎒 コスパ重視のバックパッカー | セブ・シキホール・カミギン島 |
| ⚠ 短時間で「全部」は難しい | 島間移動に丸1日かかることも多く、欲張りすぎると消化不良になりがち |
フィリピン旅行をスタートするためのステップ


情報量が多くて戸惑いがちですが、準備のステップは意外とシンプルです。
よくある質問
フィリピン観光についてよく寄せられる質問をまとめました。
フィリピンへの観光ビザは必要ですか?
日本国籍であれば、最大30日間はビザなしで入国できます(2026年現在)。30日を超えて滞在したい場合は、現地でのビザ延長手続きが必要です。
初めての一人旅でも安心して行けますか?
エリアを選べば一人旅もしやすい国です。マカティ・BGC・セブIT周辺など観光客慣れしたエリアを拠点にし、夜間の単独行動を控えるなど基本的な注意を守れば、多くの人が安全に旅を楽しんでいます。
英語はどれくらい通じますか?
フィリピンは英語が公用語のひとつで、観光エリアでは高い確率で英語が通じます。簡単な英語フレーズを知っていれば、ほぼ問題なく旅ができます。
ベストシーズンを教えてください。
乾季の11月〜4月がベストシーズンです。特に12月〜2月は雨が少なく快適に過ごせます。6〜10月の雨季・台風シーズンは離島アクティビティが制限されることも多いため、できれば避けるのが無難です。
フィリピン観光で日本円は使えますか?
基本的にはフィリピンペソが必要です。マニラ・セブの空港や主要モールには両替所・ATMがありますが、離島では現金が必須でATMがない場合もあるため、現金は多めに準備しておくと安心です。
まとめ|7,000島の国を、まず自分の「一か所」から始める
30か所を一気に紹介しましたが、全部回ることが目的ではありません。
1か所でも「ここに行ってみたい」と思える場所が見つかれば、それがフィリピンとの始まりです。
マニラの石畳のイントラムロスを歩くもよし、エルニドの青い海を眺めながら何もしない時間を過ごすもよし。
「どれが正解か」ではなく、自分のペースで選ぶのがフィリピン観光の醍醐味です。
一度行けば分かるのですが、フィリピンは「また来たくなる国」です。
食べ物・人・海、どれをとっても記憶に残るものがあります。
まずは一歩、計画を動かしてみてください。
フィリピン料理についても事前に知っておくと、現地での楽しみがさらに広がります。
フィリピン人がおすすめする定番料理をまとめた記事もあわせてどうぞ。











