この記事を書いた人
ケンタ
元フィリピン留学エージェントとして、留学の斡旋・カウンセリング業務に携わってきました。フィリピンへの渡航歴は10回以上、セブ・マニラなど複数の都市を実際に訪れています。
TOEIC900点を保有しており、語学学習や英語力の伸ばし方についても、実体験を踏まえてお伝えできます。
「フィリピンGO!」では、こうした現地エージェントとしての実務経験と渡航経験をもとに、留学・観光・現地生活のリアルな情報を紹介しています。
「フィリピンなのにスペイン語が通じる」って本当?

フィリピン国内で唯一、スペイン語系クレオール言語「チャバカノ語」が日常的に話されている街があります。
それが、ミンダナオ島西端に位置するザンボアンガ市です。
「La Ciudad de las Flores(花の街)」という別名を持ち、かつてスペインが築いた要塞や色鮮やかなビンタ(帆付き木造船)が今も港を彩っています。
セブやマニラとはまったく異なる空気を持つこの街、気になって調べ始めると止まらなくなりました。
ただ正直に言うと、「南部だから危ないのでは?」という不安を持つ方も多いはずです。
この記事では、観光の魅力と治安のリアルを両方まとめています。
ケンタ


ひと目でわかるザンボアンガ市の基本データ


まずは旅を計画する前に押さえておきたい基本情報を数字で整理しました。
詳細は各セクションで解説します。
Q. ザンボアンガ市って、実際どんな観光スポットがあるの?


「南部の辺境」というイメージとは裏腹に、歴史・自然・文化が凝縮されたスポットが点在しています。
| スポット名 | 特徴 | 所要時間 |
|---|---|---|
| フォート・ピラール | 17世紀建造のスペイン要塞。聖母像が祀られ、地元の信仰の場でもある | 約1時間 |
| ピンク・モスク(市庁舎横) | ピンク色の外壁が目を引くランドマーク。ムスリム文化を体感できる | 約30分 |
| パシアン・リゾート島 | 市街から船で約30分。エメラルド色の海と白砂が広がる離島 | 半日〜1日 |
| リオ・ホンド水上集落 | 海の上に家が並ぶ独特の集落。バジャウ族の生活文化に触れられる | 約1〜2時間 |
| ペドロ・タン・キン市場 | 地元の食材・手工芸品が並ぶ庶民の市場。チャバカノ語が飛び交う | 約1時間 |
特にフォート・ピラールは、スペイン統治時代の石造りの壁が今も残っており、「これが本当にフィリピン?」と二度見してしまうような景観です。
ピンク・モスクとフォートが同じ街に共存しているのも、ザンボアンガならではの光景です。
Q. 治安は本当に大丈夫?南部だから危ないのでは?


結論から言うと、ザンボアンガ市は「注意が必要なエリア」であることは事実ですが、市街地の観光エリアについては多くの旅行者が問題なく訪れています。
日本の外務省は、ザンボアンガ市を含むサンボアンガ半島に対して「レベル2(不要不急の渡航は止めてください)」の感染症危険情報ならぬ安全情報を継続的に発出しています(2026年現在)。
これは「絶対に行けない」ではなく、「十分な準備と注意が必要」という意味です。
現地の状況をもう少し細かく見ると、以下のような整理になります。
- 市街地・観光エリア:フォート・ピラール周辺やメインの商業エリアは日中であれば多くの観光客が訪れており、地元警察の巡回もある
- 郊外・山岳部:半島内陸部や人気のない道は治安情報が安定していないため、個人での移動は推奨されない
- 夜間の単独行動:市街地でも夜間の単独歩行は極力避けるのが賢明。移動にはトライシクル・グラブを使う
- 渡航前の情報確認:外務省の海外安全情報・スポット情報を必ず最新版で確認してから計画を立てる
過去に武装グループによる事件が発生したことがあるエリアであることも事実です。
「行きたい気持ち」と「リスクの現実」をしっかり天秤にかけてから判断することをおすすめします。



Q. マニラやセブからどうやって行くの?アクセスは?
ザンボアンガ市へのアクセスは、主にマニラからの直行便が現実的です。
| 出発地 | 手段 | 所要時間の目安 | 費用の目安(片道) |
|---|---|---|---|
| マニラ(NAIA) | 国内線直行便 | 約1時間30分 | 3,000〜8,000円 |
| セブ(マクタン) | 国内線(直行または乗継) | 約1時間30分〜3時間 | 4,000〜10,000円 |
| ダバオ | 国内線(乗継あり) | 約2〜4時間 | 4,000〜9,000円 |
セブパシフィックやフィリピン航空が就航しており、早めに予約すれば比較的安くチケットが取れます。
フェリーでのアクセスも理論上は可能ですが、所要時間が長く一般的ではありません。
空港から市街地まではタクシーまたはグラブで約15〜20分、費用は150〜300ペソ程度が目安です。



Q. 旅の予算はどれくらい見ておけばいい?


ザンボアンガ市は観光地化がまだ進んでいないぶん、物価はセブ・マニラより全体的に低めです。
ただし離島へのボートチャーターなど、地元ガイドを通じてアレンジが必要な費用もあります。
見落とされがちな注意点|「行くなら知っておくべき」こと
治安以外にも、ザンボアンガ市を訪れる前に知っておくと安心な注意点があります。
- 外務省の危険情報を渡航直前に再確認する:情報は随時更新されるため、数か月前に調べた情報を鵜呑みにしない
- 現地ガイドの同行を強くおすすめ:初めて訪れる場合、市内観光でも地元に詳しいガイドがいると移動の安心感がまるで違います
- 夜間の単独行動は控える:観光エリアでも、日没後は人通りが少なくなる路地への立ち入りは避けるのが無難
- 宗教・文化への配慮:ムスリム文化圏でもあるため、モスク周辺では肌の露出を控えた服装で訪問する
- 海外旅行保険への加入:南部エリアは医療施設が限られるため、万が一に備えて保険の加入は必須と考えてほしい
- 現金の確保:ATMや両替所の数がセブ・マニラより少ないため、ある程度の現金を持参しておく
フィリピン旅行の両替・ATM・カードについての詳しい比較はこの記事で解説しています。
地方都市ではカードが使えない場面も多いため、事前に確認しておくと安心です。



こんな声も
編集部が一般的な傾向をもとに構成した声です。
実際に訪れた方の声を参考に整理しました。
セブやマニラには飽きてきたころにザンボアンガを知りました。スペインの要塞と海上集落が同じ街にあるなんて想像もしていなかったので、とても新鮮でした。治安はしっかり調べて、ガイドさんにお願いして動いたので安心できました。
チャバカノ語の響きが独特で、フィリピン語とも英語とも違う。市場で地元の人と片言でやりとりしながら、スペイン統治時代の歴史の厚みを感じました。フォート・ピラールは想像以上に保存状態がよかったです。
外務省の危険情報を見て一瞬迷いましたが、現地の旅行会社に相談して市街地だけをコンパクトに回るプランを立てました。観光客が少ない分、地元の方々がとても温かかったのが印象的でした。
正直なめていたら、思ったより移動の制限や注意点が多くて驚きました。単独で動くのが難しいと感じる場面もありましたが、ガイドを頼んだら一気に行動範囲が広がって、パシアン島が最高でした。
※特定個人の発言ではなく、編集部が一般的な傾向をもとに構成した内容です。
こんな人には向いている、こんな人は行く前に考えてほしい
ザンボアンガ市は万人向けの観光地ではありません。
でも、はまる人には本当に深く刺さる場所でもあります。
| 向いている人 | 慎重に考えてほしい人 |
|---|---|
| フィリピン旅行経験が複数回ある方 | フィリピン初訪問の方 |
| 歴史・文化・異文化体験を重視する方 | ビーチリゾート・リラックス目的の方 |
| ガイド同行・ツアー利用に抵抗がない方 | 完全個人旅行・フリープランにこだわる方 |
| 治安情報を自分で調べ・判断できる方 | 「なんとかなる」で動くタイプの方 |
| イスラム文化・スペイン文化の混在に興味がある方 | 英語・タガログ語以外に対応できない方(チャバカノ語のみの場面もある) |
フィリピン全土の観光名所を幅広く見たい方には、まずこちらのエリア別まとめ記事が参考になります。
ザンボアンガ市以外のミンダナオ島周辺スポットとの比較にも役立ちます。
ザンボアンガ市への旅、準備の進め方


「行ってみたい」と決めたら、他のフィリピン旅行より一段階多く準備することが大切です。
ステップを整理しました。
よくある質問
ザンボアンガ市について読者からよく寄せられる疑問をまとめました。
外務省の危険情報が出ていても行けますか?
レベル2は「不要不急の渡航は止めてください」という勧告です。観光目的の場合は「不要不急」に該当する可能性があります。渡航を決める場合は必ず最新情報を確認し、ガイド同行・海外旅行保険加入を前提にしてください。
チャバカノ語は英語と通じますか?
市街地では英語が通じる場面が多いです。チャバカノ語はスペイン語系ですが、市内では英語・タガログ語・チャバカノ語が混在しており、観光客向けの施設では英語が使えることがほとんどです。
パシアン島への離島ツアーは個人で手配できますか?
地元のボートを個人で交渉することも可能ですが、初訪問の場合は現地ガイドや宿泊ホテルに相談して手配してもらう方が安心です。料金や安全性のトラブルを避けやすくなります。
ミンダナオ島の他のエリア(ダバオ・カガヤンデオロ)と比べて治安はどうですか?
ダバオ・カガヤンデオロは一般的に外務省の危険情報レベルがザンボアンガより低く、旅行者に人気です。フィリピン南部が初めての方はまずそちらから検討するのも一つの選択肢です。
まとめ|「行きにくい」からこそ残っている、本物の魅力がある
ザンボアンガ市は、フィリピンの中でも「ハードルが高い目的地」に分類されます。
治安情報をしっかり確認し、準備を怠らないことが前提です。
でも、そのハードルを越えた先に待っているのは、スペイン語系の言語が今も息づく要塞の街という、フィリピンのどこにもない体験です。
色鮮やかなビンタが港に揺れる光景、石造りの要塞の前に立った時の感覚は、セブやマニラでは絶対に味わえません。
「気になってはいたけど、なんとなく敬遠していた」という方にこそ、きちんと準備して訪れてほしい場所です。
ミンダナオ島でまず安定して観光したいという方には、カガヤンデオロの観光ガイドも参考にしてみてください。
フィリピン旅行の持ち物リストについてはこちらの記事でまとめています。
南部への旅行では特に、医薬品・虫除け・充電器など備えを厚くしておくことをおすすめします。










