はじめまして。クエラと申します。
現在はアメリカのバージニア州で旦那と二人暮らしをしています。
私の住んでいる場所はDMV(ワシントンDC、メリーランド州、バージニア州)エリアと呼ばれ、首都のワシントンDCから車で30分ほどの便利な地域です。
バージニア州はここ
アメリカへ移住した時期
アメリカには留学生として生活していましたが、2018年に永住権を取得し、本格的に移住が決定しました。
アメリカへ移住したきっかけ
アメリカへ移住したきっかけは「ホストファミリーと生活して子どものお世話をし、お給料をもらって学校に通える」というオペア留学プログラムに参加したことが全ての始まりです。
プログラム終了後は日本で通訳や翻訳業務に関わることが多く、「日本語と英語を使って人のお役に立つこと」にやりがいを感じるようになり、更なる英語のレベルアップを目指していました。
数年後再度留学しようと決意し、学びたい専攻のある学校を探し、学生ビザ(F-1ビザ)を取得しました。
留学生として渡米し、後にアメリカ人の彼と結婚したことで、米国籍者の配偶者として永住権(グリーンカード)を取得しました。
アメリカ移住までの流れ
結婚して自然と移住が決定するのではなく、永住権を取得し、学生ビザを打ち切る手続きをする必要がありました。
こちらではその流れをご紹介します。
永住権取得まで
必要書類は移民局(USCIS)の情報を参考にしていただきたいと思いますが、中には戸籍や母子手帳など日本から取り寄せなければならない書類もあり、全て揃えるのに一か月かかりました。
移民局(USCIS) :https://www.uscis.gov/
数ある必要書類の中でも印象的だったのは「夫婦関係が本物の関係であること(偽装結婚ではないこと)」を証明するよう求められたことです。
夫婦名義のクレジットカードや保険などに加え、義家族との旅行写真やお互いに送り合ったカードも準備し、家族や共通の友人に宣誓供述書を書いてもらい、周りのサポートがあるからこそ永住権申請できているのだと改めて実感したことを覚えています。
永住権を申請してから一か月後には指紋採取が行われ、二か月後には渡航許可証と労働認定証が届きました。
10か月後には移民局での面接が行われ、経験者の方々のお話では「夫婦別室で質問される」などという話も耳にしていたのですが、始まりから終わりまで夫婦一緒の部屋で、和やかなムードでした。
面接終了後一か月もしないうちに永住権が届き、正式に「移住生活の始まり」となりました。
この永住権ですが、最初にもらうものは「条件付き永住権」(Conditional Permanent Residence)と呼ばれ、2年間の有効期限があります。
引き続きアメリカで移住生活をする場合は、この期限が切れる前に条件削除の申請を行い、10年間有効の永住権(Permanent Residence)を取得する必要があります。
私の場合、10年間有効の永住権は申請から取得までに合計20か月かかりました。
以上は全て私個人の体験談です。
状況は日々変わっていますし、一人一人のケースも異なると思いますので、ご参考までにということでよろしくお願いします。
学生ビザの打ち切り?
条件付き永住権を申請した後もフルタイムの留学生として生活していましたが、学生ビザから永住権に変更する上で何か必要な手続きがあるのではないかと不安で、学校の留学生用の窓口(International Office)で相談していました。
そこで正式に「学生ビザの打ち切り手続き」を行い、「学生ビザを保有する留学生」から「学生ビザから永住権へステータス変更中の一般学生」へと変更登録手続きするように勧められました。
そうすることで合法で労働でき、学校もパートタイムやオンラインで通学できるようになるのです。
私は可能であれば通学しながら働きたいと思っていたので、労働認定証を入手した時点で変更登録申請、承認の運びとなりました。
窓口の専門家のお話では、過去に「永住権申請書類を移民局に提出した直後、学校に何も報告せずに通学を中断し、問題になってしまった生徒」もいたそうです。
私は相談しに行く際に移民局から受け取った書類を一つ一つ確認してもらいながら順調に手続きを進められたので、もし同じ状況にいる方がいらっしゃったら、学校にも相談しながら必要な手続きをすることをお勧めします。
移住するまでに大変なことも・・・
これは移住する前に学生ビザを取得して留学していたとき時の話です。
最初はオペア留学プログラムでお世話になった家族の元でホームステイしていましたが、途中で事情が変わり、急遽一人暮らしすることになりました。
どのアパートを探しても一か月の家賃は最低1,500ドル(17万円強)で、契約にはクレジットスコアを求められますが、当時留学生の私には当然クレジットヒストリーなどなく、窮地に立たされてしまいました。
インターネットや友人を通じてルームシェア情報を集めましたが、何も良い情報が見つからず、帰国することまで考えました。
そんなある日、コインランドリーでふとハウスシェアの情報が目に入ったのです。
一か月の家賃は水道光熱費等全て込みで700ドル(8万円強)で、プライベートの個室、共有のキッチンやバスルームを利用できるというものでした。
すぐに連絡すると年配のご夫婦が見学に招き入れてくれ、「自分たちだけでは大きすぎる家なので、空き部屋を貸し出している」と話してくれました。
治安のいい場所でこの家賃は好条件だったので、すぐに契約しました。
その後当時お付き合いしていた現在の旦那との交際も順調で、次第に彼の家族が同居を勧めてきてくれました。
結婚するまでは彼の家族と同居させていただき、旦那と家を購入してから二人暮らしが始まりました。
当時は本当に苦労して住む場所を探し回ったので、今では良い思い出となりましたが、忘れることのできない経験です。
移住する際に準備したもの(貯金やビザの手続き)
ここではオペア留学プログラム、二度目の留学、永住権申請についての3つに分けてご紹介します。
1.オペア留学プログラム:交流訪問者ビザ(J-1ビザ)
プログラム参加にあたり200時間以上の保育経験が必要だったので、経験ゼロの私は近所の託児所でボランティアしながら家庭教師として働き、経験を積みました。
他にもチャイルドケアに関するオンライントレーニングを受講したり、ホストファミリーとの面接に向け準備をしたりと、大忙しの毎日でした。
残高証明書を提出する必要がありましたが、当時は最低いくらといった指定はありませんでした。
アメリカに到着してすぐお仕事開始でお給料をいただけたので、お金に困ることはありませんでした。
2.二度目の留学:学生ビザ(F-1ビザ)
学生ビザを申請するには学校から発行してもらうI-20という入学許可書が必須です。
このI-20を取得するためには、学校に残高証明書を提出しなければなりません。
残高証明書に必要な金額は学校により異なりますが、私の学校は350万円ほどでした。
他にも学生ビザ申請の際には英文でのエッセイも必要です。
なぜアメリカに留学しなくてはならないのか、なぜその学校でなければならないのか等、留学しようと決めた時点で書き溜めておき、時間をかけて仕上げました。
3.永住権(グリーンカード)申請
2年間有効の条件付き永住権の書類申請費用は1,760ドルでした。(2017年時点)
10年間有効の永住権の書類申請費用は680ドルでした。(2019年時点)
毎月の生活費は?
私たち夫婦2人の生活費は、毎月大体2,600ドル(約30万円)です。
- 家賃(住宅ローン) $1,500(約17万5千円)
- 食費、日用品 $200(約2万3千円)
- 水道光熱費 $200(約2万3千円)
- 携帯電話、インターネット等 $200(約2万3千円)
- 車の維持費 $500(約5万8千円)
アメリカでは「1つ買えば1つ無料」というセールが頻繁にあり、1つの値段で2つ手に入る機会が多くあります。
クーポンも豊富に郵送されてくるので、買い物に行くタイミングを見計らって節約しています。
アメリカに移住してよかったこと
1.年齢はただの数字
アメリカでは職場でもプライベートでも年齢はあまり重要ではありません。
日本では初めて会った人に「おいくつですか?」と聞くのは一般的ですが、アメリカでは失礼だとみなされるので、私も当初はホストファミリーに注意を受けました。
求人で年齢を設けたり、面接で年齢を聞くのは違法とされていて、日常生活でも年齢が話題に出ることはほぼありません。
そのため「もう〇〇歳だから…」と年齢を理由にして夢を諦めることがなくなりました。
私の友人には子どもが自立してから大学院に通い始めた方、また40代になって初めて大学に通い始めた方がいます。
そういう姿に刺激を受け、私も新しい資格取得にゼロから挑戦したりと、興味があったら何でもチャレンジする精神を大切にしています。
2.DIYのプロになれる
アメリカではちょっとした修理でもプロにお願いすると費用が高くつくので、節約のためにも自分でやってみる習慣が身に付きました。
今ではタイヤ交換やオイルチェンジ、水道の水漏れ修理なども、何でも自分たちで行います。
念願の家を購入した際にも新しいフローリングに張り替えたり、ペンキを塗ったり、シャワーやトイレを設置したりと、大規模なDIYを行いました。
初心者にとっては大変でしたが、達成感がありました。
3.ネットワークがチャンスを運んでくれる
アメリカは人と人との繋がり「ネットワーク」が大事な国です。
就職する際の面接でも紹介者(Reference)を求められることが一般的で、いかに多くのコネクションを持っているかが大切です。
例えばある企業の求人に応募したとします。あなたの履歴書が他の何十人もの履歴書に埋もれて採用担当者の目に留まらないで終わってしまうかもしれません。
もしその企業に知人がいたとします。知人を通じて担当者に履歴書を渡してもらえば、「この人がお勧めする人なら、是非会ってみたい」と、面接にこぎつけることもあるのです。
これは実際に私の友人が経験した話で、同じ教会に通っていた知人を通じて夢の企業での面接にたどり着き、無事採用となりました。
そうは言っても誰も知らない場所に移住して、どうやってネットワークを広めていくのかと不安になりますよね。
そこはさすがアメリカで、人と出会うチャンスは無限大です!
私自身たまたま一緒に雨宿りしていた方が英語の先生になってくれたり、職場の常連客の方がお仕事を紹介してくれたりと、思いもよらない場所でかけがえのない出会いがありました。
アメリカでは様々な場所での出会いがネットワークに繋がるこそ、知らない人にも自然とフレンドリーに対応する習慣が身についているのだろうと考えます。
友人らが与えてくれたように、私もいつか誰かにチャンスを与えられるような存在になりたいです。
移住して大変だと感じること
振り返れば大変だったことは色々ありましたが、周りにいてくれる人々の支えをかりて乗り越えてきました。
唯一今でも難しい問題だと感じるのは「人種差別」です。
初めて人種差別を経験したのは、留学してすぐにガソリンスタンドでのセルフサービスが慣れず、手こずっていたときのことです。
混雑しているわけでもなく直接的に迷惑をかけた覚えはないのですが、アメリカ人男性から「使い方が分からないんだったら、自分の国に帰れ!」と叫ばれました。
本格的に移住してからも職場でもお客さんに「アメリカ人の職員をよこせ」と言われたことが多々ありますが、私が英語が話せると分かって態度を一転させる人や、わざと私の発音をマネして揚げ足をとる人など、様々な人がいました。
アメリカに生活するマイノリティーの方々であれば、何かしらの形で日々嫌な思いをしたり、違和感を感じているのではないかと思います。
そしてそういう経験があることを理解した上で、相当の覚悟を持って生活していらっしゃるのだろうと思います。
多様な国籍や文化を持つ人々が共生するアメリカだからこそ、人種差別問題は深いです。
日々時事問題や異文化理解に関する情報を積極的に集め、自分の何気ない行動や発言が、無意識のうちに誰かを不快にさせることのないように意識して生活しています。
移住を検討している皆さんへのアドバイス
住んでみたいと思う場所があったら、とにかく情報集めをしてみてください。
都市の情報や生活風景だけでなく、実際の求人情報や一か月の生活費など、現実的に調べることで移住後の生活も計画しやすくなります。
実際に経験者にお話を聞いてみるのもお勧めです。
オペア留学プログラムについて初めて知ったとき、経験者の方々とお話することで自力で集めた情報以上の生の声を聞くことができ、アドバイスと勇気を与えてもらいました。
その最初の一歩がその後の留学生活にもつながり、旦那に出会うきっかけにもなりました。
周りの人々のサポートがあったからこそ今の生活があると実感しているため、困ったときや必要なときに「ヘルプ」を求めることは大事だと思っています。
移住経験者はもちろん、移住を目標とする方々も、苦労を知っているからこそ助けたい、情報を共有したいと思っている方は沢山いらっしゃいます。
今は誰とでもオンラインで繋がりやすい時代になったので、声をかけてみると意外と喜んで体験談やアドバイスを共有してくれたり、かけがえのない友人になったり、今後の「ネットワーク」に繋がったりするかもしれません。
人生何でも縁があれば、必ず自分の元へやってくるようになっていると思います。
後悔しないように好奇心を持って行動し、是非チャンスを手に入れてください!