はじめまして。わたしはコンと申します。
都心から南へ約1000km離れ、とても美しい自然、独自の生態系があり「東洋のガラパゴス」とも言われ、旅行で訪れるにもとても魅力あふれる『小笠原諸島』。
そんな小笠原諸島にいる島民はどのような生活をしているのか、10年間移住してみてわかった様々なことをいくつか体験談とともに紹介してみたいと思います。
・移住した時期ときっかけ
2011年の春ごろ23歳のときに移住。
丁度仕事を辞め、都会での生活に疲れていたのでどこか人の少なく、海が近くにある場所を探していました。
そんな中、東京都なのに訪れる手段は船のみ、時間も25時間30分(現在は24時間)。
島民はどんな生活しているのか想像もできないし、生活してみたら楽しそうという好奇心だけで、当初は1年だけ旅行気分で住んでみようと思い移住しました。
・移住までの流れ
行くと決めましたが、一度も訪れたことがなく、知り合いもいない状態だったのと、下見に行こうにも週に1便の定期船しかないため、まずはネットで求人を探しました。
様々なサイトを見てましたが、『小笠原チャンネル』がとても便利でした。
小笠原チャンネルでは、旅行情報から島での生活の情報など小笠原専用の情報が数多くありとても参考になりました。
この中に求人ページもあり、この時は未経験でしたが、設備業関係で働くことを決めました。
その後は、定期船の乗船方法やいつから来島できるかなど話し、島へ行きました。
島に着いてからは、寮を紹介してもらい小笠原での生活を簡単に教えてもらいました。
・小笠原での生活費
夫婦二人での生活費です。
1、家賃 60000円(寮なので半分負担で30000円)
2、光ネット、テレビ 7000円
3、光熱費 14000円
4、食費 50000円
小笠原は、食品や日用品などは全て定期船にて運搬するので、定価、もしくは少し高く設定されています。
日用品や日持ちする食品は、ネットを使えば送料無料で届けてくれるサービスもたくさんあるのでネットを利用する人も多いです。
ガソリン代は都内に比べるとかなり高いですが、島全体があまり広くなく人によりますが、自転車でも十分移動できるのでたいしてかからないと思います。
・小笠原移住のメリット
自然に囲まれた生活
なんといっても豊かな自然が身近にある生活がとてもいいです。
歩いて数分で海に行けて、展望台に行けば雄大な海が広がり、時期によってはクジラを見ることができます。
昼夜問わずいつ見ても飽きがこず、時間を忘れ眺めていられる大自然を是非見てほしいです。
移住者の多い島
島に一度訪れて、自然や島の雰囲気に魅了されて移住される方が数多くいます。
地方移住でとくに島は、移住者に対して警戒されたりされることがあると聞きますが、小笠原では移住者が多いということもあり、新たに来た人も寛容に受け入れてくれて、すぐ島に溶け込めると思います。
島民同士の交流が多彩
島には娯楽施設が全くないのですが、運動や音楽などのサークルが数多く活動しています。
年に1度、父島と母島でスポーツ交流会、文化交流会があり、知り合いがどんどん増えていきます。
サークル以外にも同じ干支同士で集まったり、同じ年齢の人を集めて遊んだりと様々な交流があります。
インフラ設備が整っている
インターネットは本土から海底ケーブル通信を設置していて、テレビや携帯電波含め本土と全く変わらずに使えます。
下水処理施設もあり、町全体に下水道も通っていて小笠原では全て水洗トイレです。
・小笠原生活でのデメリット
医療施設が不十分
島には一つだけ診療所があります。
医師も3人いるのですが、専門外の診察の際は、本土の病院と連絡を取り合いながらするので時間がかかったり、時には本土に行って治療しなければいけなくなります。
緊急事態のときは自衛隊の飛行機での搬送になります。
飛行機でも本土までは4時間近くかかり、不安なところでもあります。
産婦人科もないため、定期的に本土から専門医がくるのでその際に診察を受け、出産のときは実家へ帰るか都内のホテルへ行く必要があります。
わたしは、片頭痛持ちなのですが、薬が常時置いてなく本土から取り寄せになるため、余裕を持って用意してました。
友達、家族になかなか会えない
本土で生活していれば、お正月やGW、急用ができたときは実家へ帰ることが容易ですが、小笠原だと週に1度、24時間の定期船しかありません。
なので何かがあったとしても、気軽に帰ることは難しいです。
そのため小笠原の生活では、年に1度は2週間ほどの長期休暇を取り、本土へ行く島民が多いです。
2週間も休暇を取れるのでメリットと言えばメリットとも言えますが、人によりそうです。
生活は定期船に依存
定期船は観光客を乗せるだけでなく、食料や宅配物なども乗せてきます。
新聞は過去1週間分まとめてきて、食材は売切れたら次の入港までなし。
ネット通販のタイミングを間違えると2週間来ないことが当たり前。
欲しいものがすぐに手に入らないので、慣れるまではかなりストレスに感じるかもしれません。
さらに台風などで欠航すると2週間近く来なくなるので、びっくりするほどスーパーからものがなくなります。
他にも
- 小さなコミュニティのため、うわさがすぐに広まる
- チェーン店やコンビニなどが一つもない
- 全体的に物価や家賃が高い
などがあります。
・小笠原諸島への移住を検討されてる方へ
小笠原諸島には色んな人が移住してきています。
大学卒業してすぐだったり、子育てのために移住してきたり、転勤で訪れたらそのまま気に入って仕事を辞め定住してしまったり、と様々です。
どの移住者にも共通なことだと思っていますが、移住したい!と思ったら時間が立つ前に思い切って行動してみることが一番だと思っています。
デメリットはいくつか書きましたが、生活しているとどれもデメリットとは感じなくなりました。
医療に関しては、不十分だからこそ普段から運動や食事には気を付けるような生活になりました。
家族に会えなくても今はテレビ電話やSNSなどがありますし、年に1度しか会えないからこそ、その時間を大事に使うようになりました。
食料や日用品は普段からストックしておき、欠航になってもあるもので過ごせるよう工夫したりしていました。
娯楽施設やコンビニは、あればとても便利ですが案外なくてもなんとも思わなくなりました。
小笠原諸島は海外に行くよりも遠く、旅行するのも大変なのに、移住するとなると行動に移せない人が多いと思います。
しかし他にはない圧倒的な大自然、週に1度しかない定期船など小笠原諸島でしか体験できないことがたくさんあります。
まずは旅行でもいいので是非一度思い切って小笠原諸島を訪れてみてください!
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