今回は母子2人で東京から福岡に移住したタキザワ様(仮名)に移住体験に関していろいろお話をお伺いしました!
移住した時期はいつですか?
2020年8月です。
移住したきっかけやその理由
私が移住するきっかけになったのは約4年前に第一子を出産したことです。
子どもが生まれたことで、自分は本当はどう生きたいのかを真剣に考えるようになりました。
その結果、都会を離れ地方移住をして自然の中で自然と共にのんびり暮らしたいと思うようになりました。
大好きなサーフィンに朝起きて仕事前に行けることや、家事育児の合間に海に入れる、そんな暮らしをしたいと思い始めました。
また長年夢だった畑で野菜を育てて食べることもやってみたかったです。
そして何より一番の理由は、子育て。
子どもを自然の中で思いっきりのびのび遊ばせたい、あれこれダメというのではなくのびのび育てたいという気持ちが強かったからです。
ちょうど産後に離婚をしたことも重なり、思いきって新生活は地方で始めようと決心しました。
どのような流れで移住できましたか?
まず移住後にやりたいことと、これだけは外せないという絶対条件を自分の中でピックアップしました。
私の場合は下記の5つは絶対条件でした。
- サーフィンできる海までそう遠くないこと(近くにサーフィンできる海があること)
- 海だけでなく山も近くにあること
- 日常生活があまり不便ではないこと
- 子どもの救急病院が近くにあること
- 引っ越してすぐ、子どもが保育園に入園できること
自分の理想の暮らしに近いことと、最大のリスクだけは避けるということですね。
上記の条件を踏まえて、まず一番始めに行ったところは有楽町の東京交通会館内にある認定NPO法人ふるさと回帰支援センターでした。
こちらは45道府県の移住サポート・情報センターです。
ワンフロア内で日本各地の移住情報が一気に集められるのが最大の利点です。
窓口には現地の職員さんが多数いらっしゃるので、ネットだけでは分からない情報をいただけたり、職員さんの方から実際の移住見学のお誘いをいただいたりもしました。
またネット検索などでは自分の気になる地域しか調べることはありませんが、こちらでは自分がまだ知らなかった新たな地域を知るきっかけにもなりました。
その次に私がしたことは、自分の気になる地域の役所の移住支援課へ直接連絡し、現地の移住見学に申し込みました。
そしてその地域で実際に見学してみたいところや、お会いしたい人と会えるようコーディネートしていただき、既に移住されてる方からお話を聞ける機会や、見学時泊まる場所などを紹介していただいて、実際に子どもを連れて移住見学に行きました。
その頃ネット検索では限界を感じていたので、やはり実際に足を運んでみることはすごく大事だと実際に行ってみて実感しました。
また実際現地に行ってみることで、ネット検索だけでは分からない移住後の問題点なども見えてきました。
その後もSMOUTという移住マッチングサイトで移住先を探したりイベントに参加したりしましたが、いざ実際に移住に安心して踏み込める地域になかなか出会うことはできませんでした。
私はシングルマザーということもあり、移住後も都市部と比べても行政の制度の劣らない地域というのが最終的な決め手となり、その後福岡県福岡市へ正式に移住することを決めました。
もちろん前述の自分の条件を全て満たしているからというのも、大きな理由のひとつでした。
ちょうど移住先を正式に決めた頃はコロナで1回目の緊急事態宣言下の最中でした。
そのことで現地に何度も見学に行く事が叶いませんでした。
その為、家はネットで見つけ、GOOGLE MAPで家の近隣状況を確認し、不動産屋とは電話とメールのやり取りで最終的に決めました。
また、子どもの保育園は家が決まってから、そこから通える範囲で区役所の方から電話で案内していただきました。
ただし家の契約と保育園の面接にどうしても最低一度は現地へ行かないとならず、結局緊急事態宣言が明けるのを待って一度だけ現地へ行きました。
このように、移住に踏みきる機会は突然やってくるかもしれません。
また移住先のコネクションができてからとか、ご縁があったらと思っているうちは移住先や移住先の地域の人に期待する部分が大きく、なかなか実際には移住につながらないかもしれません。
大事なのは移住すると決め、自分主体で動くことでした。
移住する際に準備した物は?
私が移住する前に準備したのは主に下記の6つのことでした。
- 住む家を決める
- 子どもの保育園を決める
- 緊急時の病院を調べる
- 買い物や通園手段を調べ、確保する
- 引越し業者の手配
- 行政の手続き関連
リモートで働ける仕事をしている為、場所と時間に縛られない分引越し先で仕事を探す手間やリスクが無かったことも、移住に踏みきれた大きな要因かもしれません。
移住にかかった費用は、引越し前の下見の旅費も含めて家の契約費や引越し業者の費用、引越し当日の移動費などで約100万円はかかりました。
引越し先も都市部であるが故、自治体からの移住支援金などは一切ありませんでした。
今現在、毎月の生活費はどのくらいかかりますか?
現在母子2人家族で1か月の生活費は大体20万円程です。
これは東京にいた頃から2万円近く下がっています。
部屋の広さは倍以上になったのに、家賃が2万円も下がったことは大きいです。
食費は生鮮食品がとにかく新鮮で安いです。
その代わり日用品は定価に近く、東京に居た頃よりもお金がかかっています。
保育園は無償化で無料ですが、近所に公立がなく私立の為毎月絵本代などが3000円かかるのと、制服など園指定の物の準備に最初は数万単位でお金がかかりました。
私は節約の為、車は所有せず電動自転車で生活していますが、大雨の時など自転車移動が厳しい時はやむを得ずタクシーを利用するので、その月によって交通費が変動します。
その他貸し農園で畑を借りている為、年間1万6千円かかっています。
移住して良かったことは?
海も山もすぐそばで、自転車で周れる気軽さ
保育園の帰りに海に寄ったり山に寄ったり出来るので、親子で自然を満喫しています。
また温暖で5月〜10月くらいまで海水浴や水遊びが楽しめます。
子どもがのびのび遊べる広い公園が近くに点在しており、とにかく子どもが生き生きしています。
東京では公園が狭かったりコロナ禍で密を避けるのに精一杯でしたが、公園もスーパーもどこに行っても広いので小さな子連れでも安心して生活しています。
念願だった畑を始めることができました。
無農薬の野菜作りや地元の方との交流を楽しんでいます。
野菜や魚も新鮮でおいしい!
また農家さんの野菜の直売所が点在しており、安くて新鮮な野菜がいつでも気軽に買えま
す。
そして肉も魚も地元の物ばかりで、とにかく新鮮で美味いんです!
ただし都市部なのでご近所付き合いなどはあまり盛んではありません。
地方移住に憧れた身としては少し物足りない気がしますが、都会育ちの私には馴染み易くて、結果良かったと思います。
子どもが外で愚図っていても、知らないおじさんやおばさんが話しかけてくれたりそっと見守ってくれてることが子育てママにはありがたいです。
東京では狭い道やお店に子どもが寝転んで愚図ったりすると、親は申し訳ない気持ちでやたら謝ってしまったり、また冷たい目で見られることもしばしばでしたが、地方の人は優しい。
声をかけてくれるか見守ってくれる。深いご近所付き合いはなくても、人々がみんな優しいです。
とにかく海も山も空も綺麗。
心が清々しく気の晴れる場所が町のあちこちに溢れています。
都市部と言えど海と山に囲まれてるので、とにかく自然が豊かです。
移住して大変だったこと
逆に移住して大変だったことを紹介します↓
聞き慣れない方言になかなか慣れませんでした。
特に敬語まで方言なことに最初は許せないくらいの気持ちになりましたが、慣れてしまえば今では自分も子どもも方言を使っています。
テレビの全てが違う。
テレビのチャンネルも番組も、ニュースキャスターも放送時間も違うことに最初は慣れなくて寂しかったです。
結果今では殆どテレビを見なくなり、家族の時間が増えました。
日の出、日の入り時間が東京より30分以上遅いので、丸一年は体が慣れませんでした。
夏は夜8時頃まで薄ら明るく、冬は朝7時半過ぎまで暗い。
体内時計が慣れるのに、物凄く時間がかかりました。
これは移住する前には全く知らなかったことでしたので、体が慣れないということはずいぶんしんどく感じました。
車社会なので公共交通機関が乏しい。
電車は1時間に4本。バスは1時間半に1本。
また大雨予報などで電車の運休が前日から既に決まってしまうこともあり、とにかく移動手段を確保するのは必須です。
お正月三が日は近所のスーパーが全て閉まる。
近年都市部ではスーパーが閉まることは1年中まずありませんが、こちらではお正月前に買い溜めが欠かせません。
これから移住したい方へアドバイス
自分がどんな暮らしをしたいのか具体的に思い描いてみることが移住の第一歩です。
もし今の暮らしで我慢してることがあるのなら、どうしたら心地よく暮らせるのか考えてみることが大切です。
我慢していることを少しでも減らして、自分の望む理想の生活はどうしたら実現するのかを具体的にピックアップして書き出してみてください。
そうすることで移住すべきか否かも見えてきますし、具体的な住む場所も見えてくるはずです。
移住と聞くと一見ハードルが高そうですが、やりたいことと最大のリスク回避さえ出来ればそのハードルは一気に下がります。
合わなかったらまた戻ってくればいいくらいの気持ちで、とにかく楽しんで移住されることをお勧めします。
その際に重要なことは、移住先で他人や環境が与えてくれることにばかり期待しないことです。
あくまで自分主体で移住することで、移住後の失敗は大きく減らすことが出来ます。
安いからといっていきなり土地や家を購入せず、最低1年は住んでみてから定住を決める方が良いかもしれません。
今は地方自治体が色々と移住支援をしていますので、それを活用するのもありですね。
日本中、世界中にあなたの理想の暮らしを叶える場所があるかもしれません。
ぜひとも楽しんで移住先を探してみてはいかがでしょうか。