この記事を書いた人
ケンタ
元フィリピン留学エージェントとして、留学の斡旋・カウンセリング業務に携わってきました。フィリピンへの渡航歴は10回以上、セブ・マニラなど複数の都市を実際に訪れています。
TOEIC900点を保有しており、語学学習や英語力の伸ばし方についても、実体験を踏まえてお伝えできます。
「フィリピンGO!」では、こうした現地エージェントとしての実務経験と渡航経験をもとに、留学・観光・現地生活のリアルな情報を紹介しています。
『それ、やめて』フィリピンの田舎で言われた忠告の意味

フィリピンの田舎町。
友人宅からの帰り道、夕暮れの空気に包まれながら歩いていました。
「あの木、きれいだね」思わず指を差した瞬間、隣にいた友人が小声でこう言いました。
「それ、やめて」
意味が分からず戸惑うケンタ。
実はこれ、フィリピンで今も根強く残る「指差しのタブー」だったのです。
フィリピンはカトリック信仰と土着の精霊信仰が混ざり合った、独特の精神世界を持つ国です。
日本人が何気なくやってしまう仕草が、現地では「非礼」や「縁起が悪い」とされることがあります。
この記事では、家・結婚式・葬式・日常の場面で気をつけたい13の文化・迷信を、体験談を交えながらまるごと整理しました。
ケンタ


そもそもフィリピンの迷信って、どこから来たもの?


結論から言うと、フィリピンの迷信の多くはスペイン統治時代のカトリック信仰と、それ以前から続く先住民の霊的世界観が混ざり合って生まれたものです。
「迷信なんて年配の人だけが信じるものでしょう?」と思うかもしれません。
でもこれは大きな誤解です。
都市部に暮らす20代・30代の若い世代でも、葬式や結婚式にまつわる慣習は真剣に守られています。
旅行者がやりがちな失敗の原因は、だいたい次の3つに集約されます。
- 「フィリピンは陽気でフレンドリーだから何でもOK」という思い込み
- 冠婚葬祭など特別な場での作法を知らないまま参加してしまう
- 自然の中(山・木・田んぼ)でのふるまいへの無知
相手はその場では笑って流してくれるかもしれません。
でも内心では傷ついていることもあるようです。
フィリピン人が大切にしている集団の和や気配り文化については、パキキサマ文化を解説した記事でも詳しく紹介しています。
訪問前に押さえておきたい、4つの心構えステップ


いきなり全部を覚えるのは大変です。
まずはこの4ステップだけ押さえておきましょう。
知っていれば笑い話。
知らなければ、大切な場面で相手を傷つけてしまうかもしれません。
「Tao po」のような敬語表現をもっと知りたい方は、タガログ語の敬語(po・ho)を解説した記事も参考にしてみてください。
ひと目でわかる、フィリピンの文化的背景


数字で見ると、迷信が今も根強い理由が見えてきます。
フィリピンの人口の約8割がカトリック信者と言われ、宗教行事は生活に深く根付いています。
知れば知るほど「なるほど」と思うデータばかりです。
こんな人は特に知っておいてほしい、こんな場面は要注意
結論、フィリピン人と深く関わる予定がある人ほど、この知識は効いてきます。
| こんな人・場面 | 特に注意したいポイント |
|---|---|
| フィリピン人の家族・友人宅を訪ねる予定がある | 「Tao po」の使い方、夜のほうき、食べ物の持ち帰り禁止 |
| フィリピン人パートナーと結婚を考えている | Sukob(兄弟姉妹の同年結婚タブー)、ガウン試着の禁忌 |
| フィリピン人の葬式に参列する可能性がある | 服装の色、直帰しない、食べ物の持ち帰り禁止、見送りを断る |
| 地方・農村エリアを旅行する | 木や山への指差しは都市部以上に厳禁 |
| 赤ちゃん・幼児がいる家庭を訪ねる | 「Pwera Usog」を知っておくと場が和む |
相手の信念を「迷信だから」と軽く見ると、思わぬ形で関係がこじれることがあります。
信じるかどうかより、尊重する姿勢を見せることが何より大切です。
パートナーの家族と関わる中で信仰観の違いに戸惑うこともあるかもしれません。
フィリピン人パートナーとの宗教摩擦について書いた記事も参考になります。
フィリピン人パートナーとの結婚を具体的に考えている方は、国際結婚の手続き・費用・失敗例をまとめた記事も参考になります。






現地を知る人たちの声
実際にフィリピンの文化・迷信と向き合った人たちの声を集めてみました。
よくある誤解|『迷信だから気にしなくていい』は危険です


「フィリピンも今は近代化しているし、迷信なんて気にしていないでしょう?」——これはよくある誤解です。
実際は、都市部の若い世代でも「迷信と分かっていても守る」というスタイルが一般的だそうです。
特に葬式・結婚式など人生の節目に関わる慣習は、宗教心とは別の次元で「マナー」として受け継がれています。
フィリピン人が大切にする時間の感覚や約束の文化についても、日本人の感覚とはズレがあります。
詳しくは時間感覚の違いを解説した記事で紹介しているので、あわせて読むと現地理解がぐっと深まります。
また、フィリピン人パートナーがいる方は、カトリックの価値観が恋愛観・結婚観にどう影響しているかも知っておくと安心です。
カトリック文化と恋愛・結婚観についての記事も参考になります。
よくある質問
フィリピンの文化・迷信についてよく寄せられる質問をまとめました。
フィリピンの迷信は若い世代にも信じられていますか?
都市部の若い世代でも「迷信と知りつつ守る」スタイルが多いようです。特に冠婚葬祭に関わる慣習は年齢を問わず真剣に守られる傾向があります。
家に招待された時、一番気をつけることは?
夜の掃き掃除を避け、出された食べ物を持ち帰らないことです。帰り際に「見送りは不要です」と自分から伝える意識があると安心です。
「Tao po」は外国人が使っても変ではないですか?
全く問題ありません。むしろ外国人がこの言葉を知っていると、現地の人にとても喜ばれることが多いようです。
葬式に招かれた時、服の色に決まりはありますか?
赤は避けてください。黒・白・グレーが基本です。「赤NG」は特に厳守されているルールなので覚えておきましょう。
地域ごとの祝祭日・行事も知っておいた方がいいですか?
はい、フィエスタなど地域独自の行事は迷信・慣習と密接に関わっています。別記事で詳しくまとめているので参考にしてみてください。
まとめ|『知ること』がフィリピンをもっと面白くする
フィリピンの迷信は、最初は「変わっているな」と感じるかもしれません。
でも背景を知れば知るほど、この国の奥深さと面白さが見えてきます。
スペイン統治の歴史、カトリック信仰、土着の精霊信仰——それらが混ざり合って生まれたユニークな文化は、フィリピンにしかないものです。
旅行で訪れる時も、フィリピン人と深く関わる時も、「相手の信念を尊重する姿勢」があるかどうかで、受け取られ方は大きく変わります。
難しく考える必要はありません。
「知っておく」だけで、次にフィリピンを訪れた時の景色がきっと変わって見えるはずです。
フィリピンの祝祭日や地域行事について詳しく知りたい方は、フィエスタと祝祭日カレンダーの完全ガイドもあわせてご覧ください。










