こんかいはチェンマイに7年間住んでいるナムブンさんの移住体験記をご紹介いたします!
現在住んでいる場所
タイのチェンマイ郊外です。
チェンマイの中心部からは10kmちょっと離れています。
移住した時期
タイには2010年ごろから住み始めました。
チェンマイに引っ越したのは2015年ごろです。
連れ合いがタイ人です。移住した直接の理由は結婚ですが、同時に現地採用の仕事も応募していて、仕事が始まるタイミングで移住しました。
移住の流れ
最初は、アパートを連れ合いが見つけておいてくれました。
ですのでスーツケース1つで住み始めることができました。
また職場のスタッフも同時に探してくれていました。
よくよく考えると日本から探すのは当時では無理でしたし、今でも難しいと思うのでラッキーな環境だったと思います。
タイでは直接物件を見て交渉するのが普通で、同じ建物でも部屋によって使用が違ったり、入居者が故障を自分で指摘して修理を要求することも多いからです。
移住した時の貯金額や用意したもの
私の場合、現地でも働く予定だったので、当面の生活費として貯めておいたのは200万円ぐらいでした。
結局給料の範囲内で生活できたので、貯金を取り崩すことはありませんでした。
ビザはタイ人の配偶者としての家族ビザ、従業員としてのビジネスビザ、どちらでもよかったのですが、ビジネスビザだと職場が費用を負担してくれるので、迷わずビジネスビザにしました。
ビザなしでタイに入国した後、マレーシアに出国し、クアラルンプールのタイ大使館で手続きしてビジネスビザを取得しました。
しかしながら数年後、事情により退職することになったので、日本に一旦帰国しました。
そしてその後、大阪のタイ領事館で配偶者ビザを取得してから、改めてタイに入国しました。
毎月の生活費
毎月の生活費は月3万バーツ(7,8万円)ぐらいです。
こちらが内訳です。
- 借家の家賃 1万バーツ(3.5万円)
- 電気代 700~1500バーツ(4-5,000円)
- 水道代が300~500バーツ(1-2000円)
- テレビ+WIFIが700バーツ(2,000円)
- 携帯は300バーツ(700円)
- 食費が1万バーツ(3.5万円)
- 車のガソリン代が2000バーツ(7,000円)
- 月の娯楽費は1000~2000バーツ(4-5,000円)
いかがでしょうか?
思ったよりやすいですかね?
それでは家賃など固定費を除いた部分を細かく説明していきます↓
こちらは我が家のWIFIルーターです。AISという通信会社を利用しています。
そしてこちらはある月の電気代の領収書です。
黄色いマーカー部分が料金で800バーツ弱(2,500円)ぐらい、この月はエアコンを1回もつけていませんでした。
外食も含めた食費が1万バーツ(3.5万円)、車のガソリン代が2000バーツ(7,000円)ほどです。
チェンマイはショッピングモールなども少なく、あまりお金を使う機会がありません。
娯楽はサイクリングやカフェ巡り、たまに温泉といったところですので、月の娯楽費は1000~2000バーツ程度です。
写真は観光地としても有名なサンカンペーン温泉です。
私は連れ合いがタイ人ですので食事もローカルなものが多く、生活も質素な方だと思います。
日本食レストランで食事すれば定食が200バーツぐらいしますし、家賃も場所やスペックによってピンキリですので、あくまで目安にしていただければと思います。
下の写真はチェンマイ郊外のあるカフェで撮影しました。
最近は広々とした自然をウリにしたカフェが次々とできています。
移住してよかったこと
何と言っても、生活費が安いことです。その大きな理由は冬がないことだと思います。
日本に住んでいた時は防寒具や暖房費にずいぶんコストをかけていたのだとつくづく思います。
それから食べもの、特に米と野菜、果物が新鮮で安いです。
地元の人が利用する市場なら、お米は1キロで30バーツぐらい、タイ産の日本米もタイ米に並んで売られています。
野菜や果物は季節によりますが、市場で1キロ20~50バーツぐらいが相場です。
チェンマイが位置するタイ北部は、他の地域で栽培できない涼しい気候に向いた作物が栽培されています。
レタス、ブロッコリーなどサラダ用野菜や、白菜、大根など味噌汁の具材になる野菜も新鮮です。
チェンマイには、日本人会や趣味のサークルなど日本人同士のつながりの場があります。
日本人コミュニティというと、人間関係で苦労しそうなイメージがあるかもしれないのですが、チェンマイ在住の日本の方たちは、助け合いながらも干渉しすぎないという印象があります。
もちろん個人差があるかと思うのですが、私にとってはこの距離感が心地よく感じられます。
タイに移住して苦労したこと
やはり大変だったのは言葉です。
タイ人で英語が話せるのは、観光客を相手に商売している方や留学経験のある方など限られています。
食堂のメニューから、病院のサービスまで、英語ができてもタイ語ができないと、ローカルな情報が入ってこないので、外国人向けの割高な賞品やサービスを利用することになります。
例えば、風邪で病院にかかった場合、タイ語と簡単な英語しか通じない公立病院や町中のクリニックでは薬代も含めて1回200バーツぐらいなのに対して、日本語通訳のいる私立病院では1000バーツ前後かかります。
タイは医療レベルが高く、ちょっとした外来治療なら公立病院で安く、十分な治療が受けられるのに、タイ語がわからないばかりに公立病院が利用できず、5倍もの医療費を払うことになるのです。
食堂のメニューから役所の手続きまで、観光客が行かない場所はタイ語だらけです。
私はタイ語学校に通いましたが、日常生活レベルのタイ語ができるようになるまでは、かなり不便な思いをしました。
これからタイ移住をしたい人へ向けてのアドバイス
ビザは必須
タイは外国人の永住権を取得する条件が非常に厳しく、何らかのビザを取得することが必須となります。
ビザの種類ですが、配偶者ビザ、ビジネスビザ、ロングステイビザ、のどれかを持っている方が大半です。これらのビザがあればタイの銀行で口座開設もできます。
3つの中でいちばん自由に行動できるのは、やはり配偶者ビザでしょう。
働かなくても滞在できますし、もちろん労働許可証を職場で手続きしてもらえれば配偶者ビザのままで働くこともできます。
またロングステイビザは、55歳以上でタイ国内に一定額の貯金があれば取得できます。
チェンマイは風光明媚で温泉もあり、ロングステイには最適な場所だと思います。
バンコクで働いている日本人の方にも老後はチェンマイで、と憧れている方が少なくありません。
でも、そんな素敵な出会いもないし、55歳以上でもないし、…という方はがんばって仕事を見つけてビジネスビザを手に入れてください。
生活費が安いとはいえ、地方都市のチェンマイでも家賃などを考えたら、ある程度の収入も必要です。
とはいえ現地採用の仕事を日本から見つけるのは至難の業かと思います。
求人サイトに出ているのはほとんどバンコク周辺です。
じゃあ、これから移住したい方はどうすればいいんだ!ってなりますよね。
今からそんな方に向けてアドバイスさせて頂きますね!
まずは学生ビザを
もし条件が許せば、タイ語学校などに入学をお勧めします。
学生ビザ(教育ビザ)が取得でき、1年の滞在資格が得られます。
タイ語を学びながら現地で仕事を探すほうが日本にいるより格段にチャンスが増えます。
現地採用の場合、募集広告を出す前に、まず口コミでタイ国内の日本人に声をかけることが多いようです。
ちなみに、20年ぐらい前は、観光ビザを延長し続けたり、周辺国にちょっと出国して観光ビザを取得したらまたタイに戻る、といういわゆる「ビザラン」という方法もありました。
今は観光ビザで滞在できる上限日数が決められているので、観光ビザでの移住は始めから考えないほうが賢明だと思います。
住居
次は住まいですが、もし現地に誰も頼る人がいなかったら、最初はホテルやゲストハウスなどに宿泊しながら、直接物件を見て回ることになります。
月単位で契約できる所が多いので、まあまあ住めそうな物件が見つかったら、さっさと入居したほうが宿代の節約になります。
日本の常識が通用しないので、多少の騒音、害虫、故障などには目をつぶりましょう。
一方で、住みながら常に引っ越し先をチェックしておきましょう。敷金、例金がない分、入居者もコロコロ変わります。
同じ建物内で部屋を変えてもらったりすることもできます。
条件がいい所が見つかれば即引っ越し、住み替えながら徐々に自分に合う物件を探していくのがお勧めです。
エアコンの電気代に注意
私の住まいは一軒家なので、電気代が1ユニット約3バーツ程度ですが、アパートやコンドミニアムなどでは1ユニット約7バーツと倍以上になります。
また、暑い時期にエアコンをつけると一気に電気代が上がります。
同僚で月に3000バーツという人もいました。
住居探しでは、北向き、他の建物の日陰で涼しい、大きな木の陰、などできるだけ日陰を選ぶのがポイントです。
買い物
セブンイレブンが町のあちこちにあって便利です。
またチェンマイには老舗のスーパー「リンピン」があちこちに支店を出しています。
日本食材も一通り手に入るので日本から来たばかりの方はまずここに通います。
慣れてきたら、郊外にある業務用スーパー「マクロ」もおすすめです。
私は生鮮食料品は地元の市場、日本食材はマクロやリンピンで、調達しています。
写真はマクロで買い出しした日のカートの中身です。
家電は量販店や大型スーパーなどで調達でき、配送もしてもらえます。
日本から家電を運ぶ必要はありません。現地の炊飯器で日本米もおいしく炊けます。
写真は現地の大型スーパー「BIG-C」で購入した我が家の炊飯器です。
交通
数年前まで、チェンマイの交通手段と言えば「ソンテウ」と呼ばれる乗り合いバスが主流でした。
今は「グラブカー(Grab car)」を利用する人も増えていますがまだ割高な感があります。
バンコクと違って電車やタクシーがないので、行動範囲を広げるには小型のバイクがおすすめです。
こちらでは60~70代の女性も利用するポピュラーな乗り物です。
チェンマイの道は狭く、路駐できないところも多いのですが、バイクなら写真のように、店の前などにすっと止められます。
日本で二輪免許がなくても、普通免許で国際免許を作って持って行けば、バイクの運転ができます。
私も自動車を購入する前は120CCのバイクに乗っていました。
自転車が乗れる方なら、数日の練習で乗れるようになるかと思います。
人間関係
タイの人々は、人懐っこく、日本人が礼儀正しさを大切にするように、思いやりを大切にします。
戸惑うこともあるかと思いますが、とにかく笑顔でいれば、向こうから声をかけてくれてうまく馴染んでいけるはずです。
以上が私からのアドバイスです!
大変なことも多いですが私は本当に移住してよかったと思います!
皆様もぜひタイ移住を検討してみてくださいねー!