今回はハディーさんにイギリスの移住体験記をお伺いしましたー!
それではいろいろ聞いていきたいと思います!
移住した時期
2019年の春です。
移住したきっかけ
日本で知り合ったイギリス人と結婚し、イギリスで新生活を始めようと決めたためです。
移住の流れ
日本で婚姻届けを提出し、パートナーとしてイギリスのビザを申請し、取得しました。
移住する際に準備したもの
貯金は300万円ほどでした。日本の口座から国際送金しました。
いったんパートナーの口座に入金し、渡英後自分の銀行口座を開設して、送金しました。
ビザについてはイギリスのビザ取得はイギリス人配偶者であってもとても厳しく、ここ数年でさらに値上がりしていて、とても高額です。
現時点では日本からの申請には、申請料のみで23万円ほどです。
これに追加で英語能力証明のためのテスト料金や、書類の翻訳費用、優先発行サービスを利用するとしたらプラスで約12万円、また保険料の前払いも必要です。(£1=150円計算、料金は変更の可能性あり)
そして日本とイギリスの仕組みの違いで(日本の住民票や戸籍謄本はイギリスには存在せず、イギリスでは発行される婚姻証明書や出生証明書が日本にはない)、イギリス側で必要とされる書類と同等の書類を日本で用意するのにも一苦労です。
また、経済状況の証明も重要な要素のひとつですが、私たちの場合は日本で働いていて、直近のイギリスでの収入がなかったため、日本の給与明細→日本の銀行口座明細→イギリスの口座明細と、お金の流れを明確にすることも一苦労でした。
また、銀行が発行する書類も日本とイギリスでは違うので、イギリス政府が求める情報に合わせて日本の銀行に発行してもらうのも大変でした。
翻訳も必要なので、膨大な書類の量となりました。
また、ビザは2年半で更新しなければならず、申請料も再度必要ですし、次の更新に向けて必要となる書類をきちんと保存していく必要があります。
住む場所については、パートナーが先に渡英し、アパートを探して契約しました。
日本で使っていた家具や家電はほとんど持ち込まず、最低限の衣類などと日本食を持ってきたくらいで、あとはほとんど現地調達しました。
なので、海外引越業者なども使いませんでした。
今現在、毎月の生活費
夫婦二人、ロンドン郊外の2寝室アパートの場合ですが、毎月の生活費は以下の通りです↓
- 家賃:15万円
- 食費と日用品など:6万円
- 光熱費(電気、ガス、水道、インターネット):2万円
- 住民税(家ごとにかかる):2万円
- 娯楽費:2万円
移住してよかったこと
まずは、自然や緑が多いことです。ロンドン中央でさえも大きな公園が多く、郊外に行けばさらに多くの公園や自然と触れ合うことができます。
また、郊外の公園には馬がいたりして触れ合うこともできます。
次に、博物館や美術館の入場が基本無料なので、特にロンドンでは有名な作品も気軽に観賞できます。
さらに歴史的建築物も多く、ロンドン中央の立派な建物や、郊外や田舎に足をのばせばお城や大きな庭園など、たくさんの素敵な場所があります。
そしてあまり人混みに出くわさないので、ゆっくりと楽しむことができます。
ヨーロッパ各国へのアクセスもよく、様々な国を旅行できます。
また、スーパーマーケットでの買い物は安くておいしいと感じます。
イギリスではレストランなどで食事をするととても高いですが、スーパーでのほとんどの食べ物には税金がかかりません。
そのため、新鮮な野菜や肉がとても安いです。
こちらのスーパーは巨大産業で、いくつかの有名なスーパーがありますが、それぞれ個性もあって、お気に入りのスーパーを見つけるのも楽しいです。
スーパーのおかげで月々の生活費を抑えることが十分に可能です。日用品もだいたい手に入るので、便利です。
そして何よりも、海外移住することで日本を外からみることができますし、日本では知り合わないような人たちと出会うチャンスも広がり、様々な価値観や考えに触れ合い、またその価値観にいたる社会の仕組みを自分自身で体感できます。
移住して大変だったこと
まずは、治安と利便性です。
特に夜間、ふと甘いものが食べたいなとか、ちょっとリフレッシュしたいな、と思っても行く場所も空いているお店もほとんどないというところです。
コンビニやファミレスなどの、時間を問わずにひとりでも気軽に遊べる場所というのが少ないと思います。治安も場所によって違うので、夜間のひとり歩きなどはちょっと不安で、不自由を感じます。
簡単なリフレッシュもままならず、自分自身の機嫌をとる方法すらわからなくなってしまいます。
次に、私の場合友達を作るのは簡単ではありませんでした。
都心ならまだ色々な国の人が集まり、学生なら時間も共有しやすいですが、都心から離れてローカルの人が多い環境だと、外国から移住してきた人ならではのストレスを共有できる人も少なく、大人になると生活リズムもそれぞれなので、気の合う友達を見つけるのはなかなか難しいと感じます。
そして、仕事を見つけるのも大変です。英語が使えるのを武器とすると、現地の若者と競っても勝てません。日本と同じような給与や職場環境を目指すには戦略が必要です。
日本人であることもスキルとしていかすには、日系の会社で働くのも選択肢の一つです。
あとは、電車などが時間通りではないことです。
ロンドンの交通事情はわりと便利ですが、郊外を結ぶ電車は30分に1本なのに突然キャンセルになって1時間以上待つなんてこともあったり、いつも通り駅に行ったら終日運休となっていて、臨時バスに乗らなきゃいけないなんてこともあります。時間には十分に余裕を持って家を出ないと、とんでもなく遅刻することがあります。
また、主要駅がメンテナンスのため閉鎖したり、路線の工事なども頻繁にあり、予定通りに進まなくてイライラしてしまうことも多々あります。
さらに、レストランや公共交通機関、電気やガスで困ったときなどのあらゆるカスタマーサービスについても、日本のようには期待できません。
お願いしたのにやってくれない、しつこく言うと嫌われてもっとやってくれないなんてこともよくあり、八方ふさがりです。サービスを受ける側より提供する側の事情が優先されていると感じることが多くあります。
また、日本で慣れた料理のレシピも考え直す必要があります。
イギリスでは一般のスーパーではほとんど薄切り肉は売っていないのと、野菜も日本とちょっと種類が違ったり、売っていないのもあります。
でも日本のものも少し取り扱っていたり、日系や中華スーパーもあるので慣れてくれば困ることはほぼありません。
コロナ禍では特に衛生面の違いも気になります。イギリスではマスク文化はなかなか定着せず、出かけることにはまだ少し不安が残ります。
これから移住したい方へ向けてのアドバイス
移住したい、海外で生活したい、という気持ちを持ち続けることが何より大切だと痛感します。
その気持ちがなければ様々なトラブルや手間のかかることすべてが面倒なことと感じてしまうでしょう。
SNSなどをうまく利用して、できるだけ情報を集めるのもいいと思います。
特に海外移住だとビザの問題は避けて通れず、申請者それぞれのケースバイケースとなるので周りで相談する人を見つけるのも難しいです。
移住すると以前は当たり前に自分でできたこと、当たり前だった周りの環境、そのすべてが当たり前ではないことに気づきます。
しかしそのなかで、自分の人生にとって何が必要なのか、改めて考えるきっかけになることは間違いないです。
移住してみて、やっぱり前の環境のほうが自分に合っていたんだと気づくこともあるかもしれません。
どこに住んでもいい点も悪い点もたくさんありますが、その経験は絶対に価値があるはずです。